劇場公開日 2012年10月27日

「これも旅が醸し出す絆が温かい一本」旅の贈りもの 明日へ talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0これも旅が醸し出す絆が温かい一本

2024年12月2日
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鑑賞方法:DVD/BD

前作『旅の贈りもの 0:00発』にも共通することですけれども。
旅の「贈りもの」という本シリーズに共通するタイトルは「旅が与えてくれる心の豊かさ」みたいなものを率直に表しているようで、評論子は、秀逸と思います。

そして、前作が「喪失の中からの再生」がテーマであったとすれば、今作は、その視点を敷衍(ふえん)して「喪失が産み出す新たな未来」にまで持ってきたという点で、本作のタイトルに付け加えられた「明日へ」というキーフレーズが活きているとも思いました。
評論子は。

前作から今作へ、監督が交代したこともあり、『水は海に向かって流れる』などヒューマンものを多く手がけている、いかにも前田哲監督らしく、ぽっんと貯立する桜の大木をモチーフとする見事なヒューマンドラマに仕上がっていたと思います。

また、前作の「神話の国」=島根県の独特の土地柄から、おわら風の盆などで、その特有の風情が知られる富山県(北陸地方)に設定の舞台を移したことも、また別の、新たな味わいを醸し出していたと思います。

それやこれやで、充二分に、佳作としての評価が相当と思います。
評論子は。

(追記)
人は傷心のときに一人旅に出かけたりしますけれども。
それは、旅というものが内包している「癒し効果」みたいなものを、人は本能的に感じ取っているからではないかとも思います。

前作へのレビューでもふれたとおり、映画としてのロードムービーの魅力も、そんなところにあるのだろうと、評論子は考えています。

(追記)
本作の製作年次から考えると、やはり大阪から北陸地方への鉄道旅というと、特急「雷鳥」を抜きにしては語れないのでしょう。

在りし日の485系ボンネット型車両の勇姿(走行シーン)が見事に活写されているなど、鉄道ファン(乗り鉄)でもある評論子には、垂涎の一本でもありました。

talkie