「中途半端にまとまりすぎてて凡作」奇跡のリンゴ CRAFT BOXさんの映画レビュー(感想・評価)
中途半端にまとまりすぎてて凡作
妻が農薬の影響で皮膚の炎症を起こした事から、無農薬・無肥料による「自然栽培」によるリンゴを育成させる農法を開発したという木村秋則氏の実話をベースにした映画。
木村秋則氏の「自然栽培」についての評価は映画とは直接関係ないが、とりあえず筆者はその農法がリンゴの栽培に適しているとは思っていないし、「自然栽培」のリンゴが直接的に消費者にとって安全・安心には結びつかない事と、リンゴの味の評価と直接的に結びつかない事を、まず前提とすべきだとは思う。
さて、その上で本作だが、中村義洋が監督と脚本を担当しているだけあって、とりあえず映画としてはまとまってる。
しかし、とくに面白さがない。主人公が自然栽培の開発に拘るために本人や家族の負った苦労が延々と描かれているが、主人公をもっともっと変人に描くとか、あるいは周囲から受けた反発をもっと強くするとか、どうせフィクションとして脚色するなら、もっと振れ幅があったほうが楽しめたのではないだろうか。要するに、中途半端だ。
素材は面白いのに、感動どころか、あまり心が動かされなかったのは残念。
コメントする