劇場公開日 2013年6月8日

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「教科書映画」奇跡のリンゴ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0教科書映画

2013年12月28日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

単純

幸せ

絶対不可能と言われた無農薬でのリンゴ栽培に成功した青森のリンゴ農家・木村秋則氏の実話。

何だかとても評判良いようだが…普通だった。
演出も演技もストーリーも音楽も、教科書通りの“THE感動映画”。
漫画チックな冒頭にいきなり辟易。妻・美栄子との出会いや秋則の熱中・没頭する性格が描かれているけど、ちょっと蛇足に感じた。

美栄子と結婚し、無農薬のリンゴ栽培がスタート。
何年も何年も何年も何年も…失敗の連続。
周りには白い目で見られ、貯金も無くなり、電気も止められ、食べる物にも困り、冬は出稼ぎのバイトをし、挙げ句の果てにはノイローゼ気味に。トレードマークだった笑顔もいつしか消え失せ…。
その苦労は本当に察する。
さすがに絶望し、自殺を図ろうとした時、山の中の一本の木にヒントを見出し…。

勿論、悪い映画ではない。
家族愛、夫婦愛(秋則が無農薬を始めたのも農薬に弱い美栄子の為)、失敗は成功の元、困難に諦めない事などなど、良いエピソードばかり。
良過ぎるのだ。良過ぎて、綺麗事にしか見えない。

失敗続きの時は見放されていたが、成功し始めたら手を差し伸べる人が現れ、“人は優しい生き物”と言っていた。
優しいというより、卑怯。
失敗の連続でどん底の時にこそ、手を差し伸べる人が居てくれたら、もっと感動出来たろうに。

芯の強い妻、叱咤激励する娘…支えてくれるのは家族。
物言わぬけど理解ある養父・山崎努はいつもながらさすが。

実話なのだから感動して当たり前。
その感動も、木村氏の映画では伝えきれない苦労があったから。

近大