劇場公開日 2012年9月28日

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「『チャップリンの独裁者』を短編にすると、ナチスの国策映画になる!」アイアン・スカイ kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5『チャップリンの独裁者』を短編にすると、ナチスの国策映画になる!

2019年7月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

 かなりしっかりしたSF大作にも見えるので笑いどころを見逃してしまいそうになる。女性大統領となっていたアメリカ。合言葉は「Yes she can」である。支持率低迷のために月面探査機を送ったりするもののパッとしない。そんなところへ都合よく月の裏側からナチスが攻めてきた!大統領1期目に戦争すると再選するというジンクスもあるから、ここぞチャンスとUFO群を迎え撃つ・・・というおバカ映画。

 国連内部の対応も笑える。「わが国が作った」と虚勢をはる北朝鮮、宇宙戦艦も各国秘密裡に持っていたという事実(日本も)、アメリカだけじゃなく世界中のトップは宇宙平和条約無視の行動をとっていたわけだ。これはドイツが自虐的にナチス批判をするだけじゃなく、世界どこでも独善的な軍事態勢をとっている実態が浮き彫りになるという風刺だ。ただ、フィンランドだけは持っていないよと発言していたが・・・

 戦後の地球のことをあまり知らないナチスの様子がともかく可笑しい。黒人宇宙飛行士だったために、みな初めて見るくらいに驚く様子。アーリア人至上主義もまだ徹底されているようで、結婚は純血を守るため家系図まで必要なんですね。

kossy