劇場公開日 2013年2月8日

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ムーンライズ・キングダムのレビュー・感想・評価

全80件中、61~80件目を表示

4.0冗談みたいな子供の駆け落ちストーリーはちょっと甘酸っぱい秀作

2013年10月13日
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鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

楽しい

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もしゃ

4.0大人の為の絵本

2013年8月5日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

幸せ

萌える

風変わりな作品で知られるウェス・アンダーソン。
その極みとも言えるのが2001年の「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」だが、もう一本、新たな代表作が誕生した。

1960年代、ニューイングランドの小島で、ボーイスカウトの少年隊員が脱走。しかも、島に住む少女と駆け落ち! 大人を巻き込み、のどかな島は大騒動に…!

独特のアンダーソン・ワールドに、メルヘンの味わいがプラス。絵本のようなファンタジックな雰囲気。
美術も衣装も小道具もカラフルでポップ、画面の構図もユニーク。細部に至るまでアンダーソンのセンスを感じる。
アレクサンドル・デプラのリズミカルな音楽も心地良い。

駆け落ちする少年少女、サムとスージー。お互い問題児。
孤児のサムは里親にもボーイスカウト仲間にも嫌われ、スージーも家族に反抗してばかり。
この二人の“小さな恋のメロディ”はちょっと変わってるけど、とってもピュア。
そのピュアな姿にボーイスカウトの少年たちの心も動き、一度は連れ戻された二人を助ける。
それとは真逆に大人たちは、不倫していたり、しょぼくれていたり、頼りなさげだったり…滑稽で皮肉たっぷり。
この映画は、純粋な心を忘れた大人の為の絵本なのだ。

主役の二人の子役が見事。
サム役ジャレッド・ギルマンの何処にでも居るような眼鏡少年ぶりがイイ。
スージー役カーラ・ヘイワードはおませで小悪魔的な魅力を振り撒く。
周囲の大人たちに、ブルース・ウィリス、エドワード・ノートン、ビル・マーレイ、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントン、ハーヴェイ・カイテルら豪華キャスト。いずれも作品に溶け込んでいる好助演。特に、ウィリスはしょぼくれ警部役で新たな一面を見せ、役柄的にも美味しい。

キュートでハートフルでちょっとシビア。
クセになってしまいそう。
アンダーソン・ワールド、健在!

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近大

2.0キュートな想いが胸を締め付けます。

2013年7月29日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

正直に言うと、私には面白くありませんでした。

「エドワード・ノートンが好き」、との理由だけで鑑賞したのがいけなかったのかも知れません。

作品は、そこはかとなくオシャレな雰囲気があります。
時代背景や、ボーイスカウトを題材にした話は面白そうで興味を引きます。しかし、ユニークな演出が目に付いて仕方ありませんでした。
例えば、映像は俯瞰の構図を殆ど使わず、横からのショットをメインで物語が進行していきます。
まるで絵本や舞台劇を見ているかのような感覚を覚えます。
ですが、それはもう見る側の好みによって有りか無しかになるだけです。
好きな方にとっては良いかも知れませんが、私には「?」でした。
この監督さんの、いつもの手法なのでしょうか?
それとも、作品の芸術性の一環なのでしょうか?
全体に漂う印象を端的に説明すると、淡い恋…ノスタルジック…大人への階段…いやいや駄目です。
しっくり来る言葉が見いだせません。
やはり、私はこの作品を理解して楽しめていないです。

純真無垢な、子供時代に浸りたい方にオススメです。

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ノリミッチー

4.5必死の初恋物語、可愛くて切なくて

2013年5月10日
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鑑賞方法:映画館

幸せ

こだわりの整った映像、観終わってプチ贅沢した気分になれました。
いつも"家族“というものへの思いを再確認させてくれるウェス・アンダーソン監督作品。本作も良かったです。

狭い世界の中での、幼い二人の駆け落ち騒動。必死の初恋物語が可愛くて切なくて。
共同脚本のロマン・コッポラらしさが効いてるんでしょうか、ロマンティックでとても良かったです。
結婚て愛の成就だけじゃなく家族を作ることなんだよなぁ、じわっと温かい気持ちになったりして。

登場人物の渋い表情、わずかな揺らぎに心がギュッとつかまれます。主役の二人も、ボーイスカウトの仲間達も良かったです。
反逆児スージーちゃんを演じたカーラ・ヘイワード、終盤に向けてどんどんヒロインらしく輝いてました。
ブルース・ウィルス、フランシス・マクドーマンドは流石でした。

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グッドラック

4.0「小さな世界が大いなる世界への扉を開いたらどうなる?」

2013年4月15日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

舞台感覚、箱庭的質感、スモールな世界で繰り広げられるスケール感の広い内容。
「小さな世界が大いなる世界への扉を開いたらどうなる?」という感じの、なんか、こう、寓話的というか。
うん、実に不思議で実に分かり易い(?)映画でした。

この映画を観た方なら分かると思うんですけど、全編に散りばめられてる技巧というか、ギミック?仕掛けというかね、相当量あるじゃないですか。その手法が映画の全体を占めてますよね。
で、そういうのって必然性があったの?なかったの?みたいなことを考えてしまうと、人によって意見は違うと思うんですけど、多分居らないんでしょうね。
でも、なんて云うかな。
居らないからこその必要性というか。
舞台装置といえばいいのか。
在るから楽しいというか。

この映画の主人公、サムとスージーのズレた者同士がお互いに感じたシンパシーは、きっとこういう奇妙な必然性から成り立ってる、みたいな?
んー…違いますねw

でもね、このサム&スージー。
最初の出会いから幾度となく交わされた文通によって、いつしか固く結ばれてしまった訳ですよ。愛の絆がね。もう離れられないというね。
何度行く手を阻まれようと誰も引き裂くことが出来ないぐらいに強固。
例えるなら、それはボニー&クライド、カート&コートニー、ジョン&ヨーコ、シド&ナンシー、佳祐&原坊、etc、etc…。

これこそ愛の逃避行。

この箱庭的空間は、彼らの小さな世界の縮図。そこをいつか突き破る。突き破ってみせる。まさに「小さな世界が大いなる世界への扉を開いたらどうなる?」という、メタ構造な訳ですよ(メタ構造って意味よく知らないで使いましたけど)。

そんな感じの映画でした。ハイ。

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ロロ・トマシ

3.5この監督の映画は観ていないけれど。

2013年3月22日
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鑑賞方法:試写会

単純

観るまでは小さな恋のメロディーのようなものを想像していたが、
独特の世界観。古き良きアメリカの雰囲気がでていてよかった。
俳優陣もとても豪華でいながら控えめなところもよかったし。

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デルフィニューム

4.0双眼鏡は魔法の窓♪

2013年2月21日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

60年代のニューイングランド島で起こる、夏の事件の顛末。小さい島の小さい人間関係の中で、浮いちゃってる「脱退」スカウト少年と、同じく問題児扱いの少女。ふたりがとった行動は…。

覗いて観る手回しムービーかと思うようなキッチュな色合いが可愛いです。
脇を固める「大人」役の俳優陣がハマり役すぎて笑えます。
みんな不器用。そこがいいんです。
音楽の使われ方が面白いです。エンドロール始まってもすぐ帰らないで、ぜひ最後まで耳でも楽しんで下さい。

それにしてもニューイングランドって変なの(かなり好きなタイプですが)が定期的に登場する舞台のように思える…。

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Yumiko Mori

5.0アンダーソン監督の作り上げた箱庭世界に、ビッグスターも楽しく溶け込んでいるのが凄い作品。

2013年2月19日
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鑑賞方法:映画館

 物語の舞台は1965年、米ニューイングランド沖の小さな島。ボーイスカウトのサムと家出をしたスージーは、秘密の場所を目指して駆け落ちします。大人たちを巻き込んで、島中の人々がふたりを捜しはじめるというのがメイン。

 おかしいのにどこか切ないコメディを作り続けているウェス・アンダーソン監督作品。それだけに「小さな恋のメロディ」の変奏曲ともいえるような10代の男女の淡い恋の物語でも、アンダーソン監督の手にかかると、まるでお伽話の世界を覗いているかのようなメルヘンにしまいます。悪人なしで閉じる結末もじつに気持ちがいいし、そんなハートウォームな雰囲気を、出演者たち(実は、なにげにビッグスターが多数出演している)が童心に返って実に楽しそうに演じていて、見ている方も心地よくなります。

 ともすれば、駆け落ちを巡るドタバタになり易いところを、ほどよくケレン味を押さえて、登場人物たちに感情移入してしまいやすい作品になりました。
 最近こころがささくれている人にはぜひお勧めしたい作品です。きっと眠っていた豊かな情感がこみ上げてくることでしょう。

 さて、お伽話みたいに見える仕掛けてとして、アンダーソン監督は様々な仕掛けが施されています。郷愁を誘う色調の映像、魅惑的な自然のロケーションもさることながら、人形の家のようなスージーの自宅、男の子的なものをぎゅっと集めたスカウトのキャンプ、つつましい島唯一の交番。次第に映画の舞台が箱庭みたいに見えてくるのです。
 そして駆け落ちしたふたりが向かった小さな入江で、そこを「ムーンライズ・キングダム」と名づけ、愛の王国を営みはじめ場面は、まさに思春期のままごとの世界。初めてキスを交わすところや、スージーが胸を触らせようと導くところが、初々しいのです。
 箱庭といってもチマチマしたものではありません。映画冒頭、耳に飛び込んでくるブリテンの「青少年のための管弦楽入門」のように、一つ一つ緻密に計算された映像が積み重なって、アンダーソン監督ならではの叙情に満ちたアンサンブルを奏でるのでした。それだけ登場する少年少女たちののロマンチックでみずみずしい心情描写も素晴らしかったのです。

 しかし、周囲が二人を放っておくはずはなく、島をめぐる大いなる追っかけの果て、「ムーンライズ・キングダム」は見つけられてしまい、ふたりは別々に。ところがここで見せる、サムのボーイスカウト仲間たちの友情が素晴らしい!あれほど嫌っていたサムだったのに、でもやっぱり仲間の窮状はほっとけないと一致団結し、サムとスージーを引き合わせて、再び駆け落ちさせるのでした。
 ふたりの捜索網は拡大し、隣の島のボーイスカウト本部を巻き込んだ大掛かりなものとなります。そこへ嵐がやってきて、島全体がパニックに。ここからの逃走劇は、なかなかハラハラさせる冒険劇に変わっていきました。
 追っ手が迫るなか、嵐の海に命懸けで飛び込もうとするふたりを、シャープ警部が自分を信じてと止めます。そしてサムに放ったひと言には、そこまでこの孤独な少年のことを思っていたのかと胸が熱くなりましたねぇ。さすが「ここ数年で一番の演技」とアメリカで評判になっただけのことはあります。駆け落ちの顛末も凄く後味のいいものでした。

 さて、本作はエドワード・ノートンが、あり得ないような冴えないボーイスカウト隊長を演じていたり、なかなか本人と気付かないほどイメチェンしてシャープ警部を演じたブルース・ウィリスが出ていたりと、さりげなく大物が出演しています。けれども彼等は個性を主張せず、アンダーソン監督の作り上げた世界に強調しているところが見事でした。それでいて、トップスターならでは演技力が物語にぐっと効いているのです。

 2時間のお伽話は、短編に思えるほどあっと終わり、あれよという間にエンディングクレジットを迎えます。このエンディングロールは、なかなかデザインと音楽に凝っているのでた最後までお見逃しなく!

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流山の小地蔵

3.5シュールな屋外学芸会。

2013年2月18日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

幸せ

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ハチコ

3.5大人の絵本

2013年2月17日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

小さな島で12歳の少年少女が駆け落ちする。逃げるといっても子供だけで島からは出られないので、いずれ見つけられて捕まるのは分かりきっている。
この映画では、身の回りで一般常識を破る者が現れた場合、周囲の人間がどう振る舞うのかを描写する。

はじめは迷惑なヤツらだと思っていた人々も、小さな二人を温かく見守りはじめる。60年代の、人々が助け合って生きてきたよき時代を、軟らかな色調とともに想起させる。
いじめっ子も大人も、誰もが手を差し伸べる。
そこに嫌味な上官や福祉局員といったちょいワルを登場させ、ところどころマンガチックなカットを挿絵風に挿入して、子どもが主人公ながら、大人が責任ある大人に成長していく大人のためのファンタジーに仕上がっている。
だから大人たちのキャスティングが贅沢なのだ。

60年代といいながらも、現代でも話が受け入れやすいように、もしかしたらそんな人と人が温かく繋がった生活が残っていそうなと思わせる小島を舞台に選んだのがよかった。
気象観測者みたいなのがナレーターを務め、いっそう絵日記風な色合いを醸し出している。

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マスター@だんだん

5.0アーティスティック

2013年2月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

好きです。こういう映画。
アーティスティックで60年代チックな色彩でツボです。

スクリーンで観る不思議なカラーが印象に残ってて魅力満載。
豪華キャストが揃う中、がんばった少年少女がメインの映画で見ごたえたっぷり。

サムを演じた男の子は主役級に光ってたしスージーを演じた女の子もキュートでした。
驚いたのがこのサムとスージーを演じたふたりは本作がデビュー作らしい!
他にも子役の男の子たちが出てくるんですがなかなかで可愛かった。

猫も犬も登場して釘付けです。

愛や恋を描くのは年齢なんて関係ないと思った。
とっても一途でピュアで行動力があってどこが懐かしさを感じられて・・・
大冒険がキーワードで観ててハラハラドキドキします。
ふたりだけの場所を目指す姿に自分自身を重ねてしまう瞬間がありました(笑)
そこはしゃれた入江でその名前がタイトルにもなったそれで素敵でした。
キラキラした気持ちが伝わってくる可愛らしい映画で好きです。

ウェス・アンダーソン監督のセンスに感動しました。
この映画の雰囲気や色など どことなく中島哲也監督が好みそうなテイストでした(笑)

ブルース・ウィルスもちょっぴり抜けた役(笑)きっと珍しいポジションかも。
とにかくサムとスージーの恋の行方が気になる映画です。

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Kaory.❤️

3.5不思議な感覚の映画でした。

2013年2月11日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

予告通りの、なんというかゆるい(?)、スキップ(?)してるみたいな不思議なノリの映画でした。
ウェスアンダーソン監督の作品初めて見ましたが映像がpopで面白い。
CGやアニメを適度に絡めながら面白く見せてくれます。
小さな恋のメロディ見たいな感じでした。
仲間から浮いている男の子と女の子が駆け落ちを実行、見つけ出されて離れ離れに、それを敵対していた子供仲間が手助けしてくれて再び二人は結ばれていきます。
子供たちの思い出の1ページなんだろうけど、周りの大人たちも優しく(?)絡んでいきます。
確かにちょっと不思議なのりの映画でした。
けど、ほんわか幸せ感味わえる良品でしたよ。

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peanuts

5.0シュールで完璧な心温まるコメディ

2013年2月11日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」を見てからというもの、ウェス・アンダーソンはお気に入りの監督の1人となったが、今回もその期待を裏切らない。

 ストーリーは至ってシンプルだ。周囲の人間から問題児とみなされている少年少女が駆け落ちをする。ただこれだけのことを描いている。強いて言うならテーマは「愛」かもしれないが、この映画にそれを求めるのは陳腐というものだ。「ファンタスティック Mr.Fox」と同様に、純粋に映画を楽しむことが目的なのである。
 しかしその一見単純なストーリーもアンダーソンらしく一筋縄ではいかない。突っ込みどころ満載で、限りなくシュールなその世界観は誰にでもまねできる物ではない。そこに洗練された様式美(少々スタイリッシュすぎるきらいもあるが)が加われば、唯一無二の「ウェス・アンダーソン映画」の出来上がりだ。

 彼の映画すべてに言えることだが、俳優陣が見事だからこそ物語も引き立つのである。主演の2人、ジャレッド・ギルマンとカーラ・ヘイワードは、大人びているのに子供らしさを残したまま演技を見せている。少しクールすぎて感情移入するのは難しいかもしれないが、どことなく暗いトーンが漂う映画の雰囲気は彼らが作り出している。

 そして彼らの脇を固める大人たちは文句なしの配役だ。ここ最近は目立たなかったエドワード・ノートンも、今回は彼が得意とする役柄の1人「情けないけど愛すべき男」に完璧になりきっている。狂気をはらんだ役柄も良いが、いつもしょぼくれて眉が垂れ下がっているウォード隊長もなかなかのものだ。
 フランシス・マクドーマンド、ビル・マーレイもさほど出番は無いが、どちらもそれぞれが最も得意とする役を見事に演じきった。マクドーマンドは娘役のヘイワードと、ブルース・ウィリスとの会話で見せる、威厳と哀しみの入り交じった表情が絶品だ。ビル・マーレイは相変わらず「笑わない演技」で笑わせてくれる。普段は無気力な目つきでいるのに、突然怒り狂ったりする様子は本当に面白い。もう少し台詞があっても良かったのでは。

 もう1人忘れてはならないのが、ブルース・ウィリスだ。普段のマッチョな役柄ではなく、いつも悲しそうで、騒々しい面子に振り回される島の保安官を繊細に演じた。彼とジャレッドの会話のシーンは笑いがこみ上げると同時に哀愁も誘う。彼の過去に何があったのかは明かされないが、それでもこの映画の中で一番観客が入り込める役柄ではある。それまでの細やかな演技があったから、最後のシーンで彼が発する言葉には感動させられる。そしてジョン・マクレーンよりもかっこいい。

 独特のカメラワークやレトロな質感、随所に流れるセンスのいい音楽。どこを取っても完璧で、忘れがたい。言葉で表すよりも実際に見た方が早いだろう。今年度最高の一本は、見る者を絶対に満足させてくれるだろう。
(2013年2月11日鑑賞)

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キューブ

4.0いつしか失われたキングダム

2013年2月10日
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鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

楽しい

『天才マックスの世界』『ロイヤル・テネンバウムス』など、
ヘンな映画を撮るウェス・アンダーソン監督の最新作。
今回もやっぱりヘンな映画でした(褒めてます)。

漫画かポップアートのように鮮やかな色彩と几帳面な配置。
絵画を切り取るかのようにスルスルカチリと動くカメラ。
やけにシンメトリー(左右対称)を多用する画作りが印象的だ。
そして、奇妙なものの数々。
危険高度のツリーハウス、カヌーの先のアライグマ人形、甲虫のイヤリング、
矢の刺さった犬、きつねやカラスの被り物、謎の赤服おじさん(笑)。
管弦楽の構造を解説する奇妙なBGMや60年代らしいサイケな音楽なども含め、
隅から隅までシュールでキュート。

映像や音楽がヘンなら当然、登場人物たちもヘンです。
浮気相手に靴を投げ付けたり、子どもに失恋を慰められたり、
スカウト隊隊長という“副業”に気合を入れまくっていたり、
なんだか子ども達より子どもじみた大人達(名優達が見事なまでに情けない(笑))。

それに対し、なんだか大人達より大人びた子ども達。
サムとスージーがスカウト隊に囲まれるシーンでは
まるでアクション大作みたいなテンションの子ども達にクスクス。
スージーの前でキャンプの知識を披露したがるサムの姿も可愛らしい(案外頼りがいもある)。
後半、スカウト隊で行った“式”のシーンも、子どもなりにだが真剣そのもの。

そう。くすくす笑いながら観ていたけれど、子どもは子どもなりに、物凄く真剣に生きている。
世界に味方がいないのなら尚更だ。
彼らにとっての“世界”はまだ全長26kmの小島でしかないが、
その小さな世界を、小さな体に持てるだけの精一杯の真剣さで戦っている。
あの保安官達のような、情熱を忘れて日々の生活にくたびれ切った大人だからこそ、
真っ直ぐな情熱で突き進むあの2人に味方したくなったのかも知れない。

あのラストはハッピーエンドと捉えて良いのだろう。けれど僕の場合、
『このひたむきな情熱も、大人になれば失われてしまうのかしら』
と考えた途端、なぜだか少しだけ泣きたくなった。
嵐で失われた王国が、あの2人の記憶に刻まれたのと同じく、
子ども達がいつまでも真っ直ぐな気持ちを持ち続けていられますように。
ふわふわとしていて少しだけノスタルジックな、童話のような映画。

それにしても、あの千里眼の赤服おじさんは結局何者だったんだ(笑)。

<2013/2/8鑑賞>

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浮遊きびなご

3.5シュールな絵本を映画に

2013年2月10日
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鑑賞方法:映画館

幸せ

独特な世界観のなかに、どこか懐かしさを覚える
そんな作品です

あっという間に終わった気がします、実際上映時間も短めの94分で
気軽に見れる映画です^^

まだまだ子供の私はほっこり。
また大人になって観返してみたら、その時にはまた違う感想を持つのではないかと思います。

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Ms. Parnassus

4.5これぞまさにアメリカ映画

2013年2月9日
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楽しい

幸せ

ずっと楽しみにしていた作品だったので公開初日に行ってきました。

60'sのアメリカの、何故か私たちまで懐かしいと感じるような世界。
人々が生きることを純粋に楽しんでいた頃の話、といった印象を受けます。

レトロでカラフルな画面に、メガネが大好きな私にはたまらないヴィンテージメガネをかけた魅力的なキャラクターが沢山登場して、それだけでウキウキしました。

音楽もストーリーとうまく絡んでいてとてもよかったです。

オズの魔法使いとスタンドバイミーとトムソーヤーと…
アメリカンストーリーのまさに王道をいく少年たちの一夏の冒険とそれを通じて成長する人々を描いた、ハートウォーミングな作品です。

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ayakology

4.0かわいい!!

2013年2月8日
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鑑賞方法:映画館

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楽しい

まるで絵本のようで完璧に世界観が確立されてる。
とにかくかわいい!!
ウェス好きもはじめましても必見です!!!!

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ags

5.0ウェスワールドは健在

2013年2月8日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

幸せ

12歳で駆け落ちしてしまう子供、子供たちに翻弄されてしまう大人達。
描かれる世界のなんて可愛らしいこと。
ウェスワールドは健在で、「家族」について描きながらも毒を含む人物達の愛らしいこと。

ウェスの達者な描写術には今回も唸らされます。

この映画を嫌いになる人、嫌悪感を抱く人は0に等しいのではないでしょうか。

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cinemafan

5.012歳の少年、少女の駆け落ちに大興奮っ!

2013年2月7日
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鑑賞方法:試写会

楽しい

興奮

幸せ

冒頭から、ドキドキさせられるようなカメラワーク、音楽で、
いきなり心を鷲掴みっ!

ウェス・アンダーソンの作品はあまり観たことがなかったが、
極限までこだわり抜き、作りあげられた完璧な世界観に、
終始酔いしれてしまった。

この世界に入りたい!!!

物語はとてもシンプル。でもとてもドラマチック!
12歳の少年少女の駆け落ち。それを取り巻く、豪華スターたちのいつもは
見せない意外な一面。
みんな不器用で、愛おしい。

こんなに興奮したのは久しぶり。

もう一度劇場へ行こうと思う。

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kikit

3.5とってもアートな作品

2013年1月30日
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鑑賞方法:映画館

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DOGLOVER AKIKO