「ハリウッドエンディングなんていらない」砂漠でサーモン・フィッシング arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
ハリウッドエンディングなんていらない
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原作を読まずに映画を先に観ていたらこれ程ガッカリしなかったかもしれない。しかし、読んでしまったものは仕方がない。
映画化にあたって、とくに後半部分で大きな原作からの変更があるのだが、それがことごとく失敗だと思う。
いわゆる“ハリウッド・エンディング”(に拘ったのかどうかはさだかではないが)にするためだろうが、この変更によって原作小説の一番重要なコア部分が損なわれてしまった。
原作小説で一番印象に残っているのは、サーモン・プロジェクトの発案者シャイフの言葉だ。
「信じる心は希望に勝り、希望は愛に勝る」
希望は感染する。
最初は途方もないプロジェクトだと相手にしなかった博士も、あくまでも仕事としてプロジェクトに関わっていたハリエットもシャイフの希望を信じる心に感染し、プロジェクトの成功を信じ、のめり込んで行く。
そこで人々の心に生まれた希望は例えプロジェクトが失敗しても完全になくなってしまうことはないのだ。
原作小説でも博士とハリエットはお互いに惹かれあうが、それはあくまでも二人が人生の次のステップに進むためのきっかけに過ぎない。
映画が気に入った人にも気に入らなかった人にも是非原作小説を読んでみることをオススメしたい。
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