「まずは信じてみよう」砂漠でサーモン・フィッシング シュナイダーさんの映画レビュー(感想・評価)
まずは信じてみよう
砂漠で鮭釣りって、一体どんな内容の映画なのかと思いましたが、意外とストレート・・・と言うか、タイトルそのまんまの映画でしたね。
まあでも政治風刺あり、ロマンスあり、サスペンス要素あり、風変わりなタイトルから想像した以上に、なかなか見応えのあるヒューマンドラマに仕上がっていたと思いましたよ。
久々にラッセ・ハルストレム監督らしい作品を見た気がしました。
普通に考えたら、砂漠の国イエメンで鮭釣りをするなんてありえない、と言うか、考えることすらバカバカしい。
しかし、そんなありえないことを、無謀にも挑戦しようとするその過程に、妙に心惹かれるものがありました。
しかも崇高なメッセージ性を前面に押し出しながらも、語り口はコメディタッチで、とても見易く作られていた辺り、私的に好ポイントでした。
ユアン・マクレガー(ジョーンズ博士)・・・不器用だけど心優しくて実直な水産博士を好演、さすがの存在感でした。
ちょっと変人だけど心はピュア、これは間違いなく女心をくすぐりそうですね。
賛否両論ある結末でしたが、私的には妙に納得でした。
エミリー・ブラント(ハリエット)・・・早口言葉のようなハリエット・チェトウォド・タルボットなる名前からは想像できないような美しさが物凄く印象的でした。
心優しいイケメンと女心をくすぐる男、どっちを取るかって・・・まさに究極の選択でしたね。
トム・マイソン(ハリエットの恋人ロバート)・・・ザック・エフロンとライアン・ゴズリングを混ぜ合わせたような顔立ちのイケメン君。
性格的にも完璧でしたが・・・それでいいのかい、君は!
レイチェル・スターリング(ジョーンズ博士の奥さん)・・・典型的な仕事が恋人タイプの女性でしたね。
普通に考えて、即離婚で問題無しだと思いますが。
クリスティン・スコット・トーマス(マクスウェル)・・・家庭も仕事も完璧にこなす首相広報官。
ある意味英国を風刺するような憎々しいキャラだったとも言えましょうか。
でも、こんな広報官がいたら、首相も助かりますよね・・・映画的には本当にナイスキャラでした。
アムール・ワケド(シャイフ)・・・イエメンのイケメン富豪さん。
信じられないぐらい高尚で真っ当なイエメン人過ぎて、いくらなんでも・・・とは思ったのですが、何だかんだで彼の思想には思いっきり心惹かれるものがありました!
きっといつか民も付いて来てくれるはず。
まあ何事も、信じることからスタートすれば、不可能も可能になるのかも?