「かなり脇の甘い映画だけれどもユアン・マックレガー、エミリー・ブラント、クリスティン・スコット=トーマスの好演のお陰でなんとか様になっている。」砂漠でサーモン・フィッシング もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
かなり脇の甘い映画だけれどもユアン・マックレガー、エミリー・ブラント、クリスティン・スコット=トーマスの好演のお陰でなんとか様になっている。
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①元々現在の中東問題の直接の原因は第一次大戦後及び第二次大戦後の英国の戦後処理に有るのに、お気楽な話とは思ったが、まあ娯楽映画なので野暮なことは言わずにおきましょう。②イエメン側の描きかたが杜撰なので白ける。例えばフィッシング中の狙撃事件だってシャイフ(またはシーフ)の護衛ならもっと厳重な筈、ダムの放水だって一人しか護衛がいない訳ないでしょう。この辺りにリアリティーがないから映画として盛り上がらない。イエメンという国の描きかたも中途半端。本来『イエメンでのサーモンフィッシング』という話なのだから、なぜイエメンなのかもっと説明すべきだろう。「砂漠でサーモンフィッシング」という題では話がほわやけてしまう。③イギリス側も国家プロジェクトというわりにはクリスティンの活躍ばかりが全面にでてあとは雑魚官僚ばかり。首相とクリスティンとのやり取りもSNSだけで(それはそれで面白いが)スケール感にかけていてショボい。④エミリー・ブラントの恋人役の俳優も軍人ぽくなくてミスキャスト。⑤クリスティン・トーマス=スコットの猛女ぶりが面白く、やってることの是非を考える前にあれよあれよと巻き込まれてしまって面白い。⑥みんなとてもキレイはQueen‘s Englishを話すので心地好いが、イギリスのブラックジョークがある意味アメリカのジョーク以上にブラックですな。⑦『ギルバート・グレイプ』で散々泣かせてくれたラッセ・ハルストレムが監督だけれども、脚本が悪いのが一番の原因とはいえ、演出に往年の冴えはない。
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