「2012年観た〈笑える映画〉ではトップクラス」シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
2012年観た〈笑える映画〉ではトップクラス
20年間にわたり三ツ星評価を守り続けてきたパリの高級レストランが舞台。ベテランシェフのラガルド(ジャン・レノ)がスランプで新メニューができあがらず三ツ星から陥落する危機を、天才的な舌をもちながら仕事が長続きしない料理人ボノ(ミカエル・ユーン)が助けるという話だ。いわばピクサー・アニメ「レミーのおいしいレストラン」の人間版だ。
実際、ボノを見ていると、その妥協を許さない繊細な料理感覚といい、香りをかぐ仕草といいネズミのレミーそっくりだ。
レミーと同じようにコメディ・タッチだが、頑なに伝統的な手法で培ってきた料理を守ってきた老練なラガルドと、その手法に敬意を払いつつも自分の感覚で調理するボノの掛け合いが可笑しい。
とくに笑えるのは、二人がコンビを組む料理番組。生放送で、若いボノがラガルドのやり方に反発する。なんとかその場を取り繕うとするラガルドだが、ジャン・レノの焦る顔が面白い。
もうひとつ、流行りの分子料理のメニュー研究のため、同業のレストランに客として潜り込む場面。面が割れてるから変装して出かけるのだが、これはもう大笑いだ。いったい何に変装するのかは、本篇を観るまで知らないほうがいい。
もちろん、ボノにとってハッピーエンドの結末だが、ラガルドもただでは起きないラストが待っている。
2012年、★の数こそ違うが笑える映画では「テルマエ・ロマエ」「最強のふたり」に並ぶ。
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