「これはひどい。」悪の教典 larkさんの映画レビュー(感想・評価)
これはひどい。
予告編に興味を持ち、映画館へ。
ただ、これはちょっと映画として質が低すぎます。
まず断っておきたいのは、私はスプラッターは割と好きなので、この低評価は、
人が死ぬのは気分が悪いとかではありません。
まず、一般論的な批評をすると、
・キャラクターに魅力がない
ハスミン、生徒ともにキャラクターとして深みが全くありません。
・殺しの描写が陳腐
スプラッターとして見るなら、3流映画ですね。血がびしゃっとなるだけ。
・ストーリーが緻密さに欠ける。
全体的に突っ込みどころがありすぎです。
まず、大量虐殺のきっかけとなるシーン。
屋上で自殺とみせかけ女生徒を殺害するが、たまたま屋上に来た別の女生徒
に自分の姿を見られてしまい、やむなく首を折って殺害。
その証拠隠滅のた首を折ってめ、「木を隠すなら森の中、死体を隠すなら死体の山の中だ!」と思い立ち、猟銃で全生徒を殺害し、他の先生の責任にしようとする訳ですが、普通に考えて、銃殺死体の山の中で、自殺死体、そして首を折られて死んでいる死体は明らかに異質であり、日本の警察ならもう一人の犯人の存在に容易に行き着くはずです。
その他、とてもサイコパスで頭の良い人がするような完全犯罪とは程遠い殺害方法にがっかりしました。
そして、この映画の核心に迫っていくと、恐らく、「悪」への
挑戦だったのではないのかと思います。
京大からハーバード大へ、MBA取得後日本へ帰国し教師へ、そして
多くの生徒から慕われている。
加えて、生徒のキャラクターに深みがなく、ハスミンの虐殺にほとんど
無抵抗で殺されていく。
これら全ての描写は、一見真っ白に見えるハスミンの中の「悪」
を際だたせるためのものであったのだと思います。
周りが白ければ白いほど、その悪は際立ち、人々に恐怖を与える。
そんな悪を描きたかったのかなと思います。
ただ、それにしても中途半端な点が多すぎて、真の恐怖を与えるには程遠いかな。
舞台挨拶で、監督の方は、「この映画の感想としは5点か0点かしかないだろう」
と言っていたそうですが、つまりは、「わかる奴にはわかる」
ってことですよね。
勘違いも甚だしいです。
どちらかといえば、中高生がキャーキャー言って楽しむような映画。