「拭えない罪」籠の中の乙女 "Auggie" Wrenさんの映画レビュー(感想・評価)
拭えない罪
ぶっちゃけ突拍子も無い映画である。発想の勝利なのか はたまた敗北なのかは さて置くが、「言い出しっぺなくせに結ばない」責任感の欠如は、簡単に拭える罪では決してない。
崇高さを うっすらと漂わす事により観客から あれやこれや問い質されない様に仕向け、誰からも触れにくい物とする。
仮に今作が“観客への問題提起”を目的としているのであれば、その手法では感情移入 出来る余地を余りにも少なくしていると言わざるを得ない。
だからこそ(?)最早 SFの領域迄 踏み込んでも尚、情緒に溢れたカズオ・イシグロ「恐るべし!!」なのであり、カズオ・イシグロの非凡具合が改めて浮き彫りとなった。
個人的には その点が非常に興味深い。
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