劇場公開日 2012年6月22日

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「善し悪し」ネイビーシールズ Blueさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0善し悪し

2012年3月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

アメリカ海軍 特殊部隊・ネイビーシールズの精鋭たちが、誘拐されたCIA捜査官の救出作戦にのり出して…と ストーリーは始まります。

この作品のいちばんの売りは 米軍全面協力のもと、現役兵士たちも撮影に参加していること。 今まで見てきた戦闘ものの作品や 兵役・軍人の姿を描いたものとは明らかにレベルがちがいます。 無駄な動きが一切なく、常に緊張感を感じながら ターゲットへ近づいていく姿。 武器の扱い(構え方)も、暗号や手話のような会話も ベテラン俳優たちが演じるそれより説得力があります。 その中でも印象に残ったのは、任務につくと同時に無口になり 感情を殺す兵士たち。 それが命がけであることを 言葉なく語っていて圧倒されました。 プレビューにある池を進むシーンは 圧巻です。

撮影方法や効果音など、臨場感が得られる演出が多いですが エンターテイメントとして見ると どうもマニアックさが目につきます。 例えば ビデオゲームをする感覚で見れば ある程度入り込める世界でしょうけれど、観客の立場から言えば 救出作戦に忠実に沿うあまり、映画というより 兵士の教育ビデオのような印象を受けるのです。 過激な(血生臭い)シーンもある中、その無駄のない動きが逆に 安心してしまう欠点も否めません。

日本国内では 東日本大震災の復興から一年経ち、自然災害の爪跡に苦しむ方々が 大勢いらっしゃいますが 世界に目を向けるとそこには 9・11のテロ事件以来、悪の陰謀を捨てずに増えるテロリストと戦う人々がいます。 どちらも風化させてはいけない・忘れてはいけない出来事ですし、決して 他人事ではなく 身近に起こりえるのだと身につまされる思いです。

万人にはウケないなと思いつつ、『世界侵略:ロサンゼルス決戦』より良かった3.5と、軍事やテロ対策について考えさせられる+0.5で(ちょっと過大評価気味の)トータル4.0。 “男・映画”です。

Blue