天使のたまごのレビュー・感想・評価
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映画というより芸術
映像は凄い
制作から40年!を記念し4Kリマスターで劇場公開されると知り、特別料金2200円を支払い、初めて本作を劇場で鑑賞しました。
今観ても訳が分かりませんが、映像は凄いです。40年前のセルアニメでこれほどの映像美はオーバーテクノロジー過ぎます。
昔、押井守作品という理由だけで本作のレーザーディスクを購入した事があります。
きっとすごい物語なのだろうと、その期待値はすさまじいものでした。
購入後に早速プレイヤーで再生し、最初はワクワクしながら見ていたものの、やがて20分ほどで見飽きて脱落。せっかく高いお金を出して買ったのだからと、改めて見ては途中で脱落。そんなことを繰り返し、一度もまともに鑑賞しないまま、いつのまにかレーザーディスクも処分し、今は手元にありません。
若い頃はつまらないと感じても、歳を重ねて分かる事もあるかもと、今回期待を込めて鑑賞しましたが、残念ながら今観ても分かりませんし面白いとも感じませんでした。停止ボタンの無い劇場であればこそ、初めて最後まで鑑賞することができ、やっとこの映画に対してケリがついた気分です。
少女が問う「あなたはだぁれ?」、男が問う「君は誰だい?」、そして、その問いには、互いに何も答えない。なので誰だか分かりませんが、もう考えるのはやめました。
巨大な魚の影にモリを撃ちこむ男達、それは何なのか?
大きな目玉のような宇宙船?は何?
最後、俯瞰で見せた作品世界の形状は何を意味するのか?
映像世界の雰囲気を味わえれば、そういう事を考える必要はないのかもしれません。
数十年の時を経て、ようやく最後まで観る事が出来た事に今は満足しています。
再会と再生
少年と少女は誓いを交わした。
鐘がなる。
少年は少女の卵=(心)を断罪する。
それは愛の暴力であるが、少女にとっては救世主とも言えるかもしれない。
少年も痛みを背負って生きていく。
手と十字架。
強い傾倒心からは、人は成長できない。
大人になれない身体は、本物を産めない。
大人になれた少女は、天使を産めた。
少女は、元々天使であったのだ。
少女は、自身の再会と共に去る。
天使を探していた少年は、出逢えたのだ。
真っ直ぐに十字架、痛みを抱え生きていく。
少年少女に関わらず、
人は成長しなければ、真実と向き合わなければ、
本物は生み出せない。
自分の天使、本来の自分を手に入れられない。
アートを「評価」するわけにはいかない
残念ながら私の口には合わなかった。
感想すら記することが憚れる。
しかし当たり前だが、個人の感じ方や理解の度合いの面で「合わなかった」ことがイコールその作品の価値が低いことにはならない。
なので、☆を「0」ともできないし「5」にもできない、という意味で真ん中の2.5としました。
映像と音楽を楽しめれば
押井作品のたまごでした
欲望についての話に見えた
すげぇー!押井守は40年前から押井守だったんだな。
ってか、よくこの企画が通ったよな。明らかにアート系。
他の人の考察を何も見ずに最初の印象のストーリー。多分こんな話だったんだろう、という自分解釈の考察、あらすじ。
[あらすじ]
デカい目の不気味な像が宙に浮いています。デカい目に見えてますがよく見ると人型の石像の集合体。大きな剣を持った男がそれを眺めてます。
その石像から遠く離れた廃墟にたまごを大切に温めている女の子がいました。水が好きで大きいボトルに入れてごくごく飲みます。森にいるとなんか不安。あと食うものがないので街に行ってジャムみたいのを盗んで食べます。街は荒廃していて人がいません。
噴水に人がいた!と思いきや漁師軍団でした。女の子は怖くなって逃げます。
すげぇ不気味な戦車がギュルギュル音をたててゾロゾロやってきました。戦車から剣を持った男が降りてきます。
剣持ち男がついてきて女の子は逃げますが先回りされました。しかも「大切なたまごは自分のお腹にしまって」とたまごを盗んだ上で偉そうに言います。女の子はたまごを取り返しました。
漁師軍団は街を泳ぐ影の魚を追います。しかしいくらモリを投げても捕まえられず。窓を壊すばかりです。女の子は「いもしない魚を追ってる」と呆れ顔。
男は昔話をします。大雨で洪水が起きて人も動物もほぼ死んだ。生き残った人が大きな鳥を飛ばして世界を再現しようとしました。
男はこの昔話の鳥を探していました。
警戒心を持っていた女の子はだんだん男に心を開いていき自分が寝ていた場所に案内します。
そこは石になった大きな鳥がいた場所でした。女の子は大きな鳥のたまごを自分があたためているんだみたいなことを言います。
女の子はベッドに寝ました。男は焚き火をたいて見張ります。どうしよっかなー女の子寝たかなーと黙っていた男。ふいに動いて剣でたまごを割りました。
女の子が目を覚ますとたまごが割れていました。たまごの中はカラでした。女の子は発狂して叫びます。
女の子は男を追って走りますが崖から落ちて川に沈みました。沈む瞬間に大人の女性になり泡から沢山のたまごができて川に浮かびます。たまごは木にも沢山できました。
そして女の子はデカい目の像の一部になってしまいました。死んで墓ができたのです。
それを見て男は「女の子も結局無いものを守り続けて、しかもそれが割れただけで発狂して死んじまったなあ」とむなしく思います。
この世界では欲深い魂の人間が死ぬたびにカラのたまごができるのです。
これが「天使のたまご」です。無駄にでかいたまごがそこら中にできて男は次々と割らないとならないのです。
カメラがどんどんひいていき鳥の視点になります。大きな鳥は今もはるか彼方の大空から見下ろしているのです。欲深い人の業を眺めながら。
[あらすじ終了]
個人的には人間の欲望の話に見えた。
そもそもあらすじをわざわざ考える必要がある、というのがすごいよな。全然分かりやすくない。
他の人の考察も見たがなんか全然違うことを言っているので自分は的外れなことをのせている可能性もある。
この映画はきっとこんな話だったんじゃないか?とあれこれ解釈して楽しむ系のもの。押井守監督自身もインタビューでそんな感じのことを話していた。
押井守監督はこういう感じのが多くて『イノセンス』や『スカイ・クロラ』あたりもこんな感じで何なら『ガルム・ウォーズ』もこんな雰囲気があった。
やりたいことはそういう意味では明確。分かりやすい映画ばかりが映画じゃ無いよな?!こういうのもあっていいっしょ!という姿勢が既にこんな前からあったのはやはり只者じゃないよな。こんなチャレンジングな企画が許される時点ですごいわ。
今回、音響がいいドルビーで観たら、戦車がギュルギュルギュルいって動く音がうるさいのよ。そんな音を轟音で聞きたくないわ、と。しかしこの体験こそ、映画館の醍醐味。
全然万人にすすめられるものではないけど、こういう作品も劇場で公開できる、何なら結構客が入っている、というのはいいことなんだろう。日本のアニメ文化の文化たる所以。
グレンラガンと豪華2本立て‼️
タイトルなし(ネタバレ)
40年越しの宿題を終えるために劇場に行きましたが、寝てしまいました。
ビューティフルドリーマーで押井守に魅了され、
紅い眼鏡も嗜んでいましたが
それでも、何が何だかわかりませんでした。
帰宅してウィキペディアを読んでなるほどと思いましたが、
もう一度見ようとは思いませんでした。
でも、難解な作品であることはわかっていたことで、
それも含めての作品鑑賞だと思い、今は満足しています。
こういう気持ちを味わうためなら予習なしに行くべき。
でも、予習していくのも悪くないと思う。
星の数はどうとでも
天使のたまご
多分20年振りくらいに観たんじゃないかな。
押井守の代表作というのは違う気がするが、作家押井守の1番濃密な部分が出ている作品。
元々はOVA作品で、キャラクターデザインはファイナルファンタジーシリーズでお馴染みの天野喜孝。
4K作品として劇場リバイバル。
卵とはなんなのか。
この世界はどうしたのか。
少年と少女は何者なのか。
いろいろと謎はあるがストーリーはあまり意味をなさない。
結局、これは観た人がどう感じるかに尽きると思う。
私はノアの方舟の洪水で殆ど死んだけどオートマチック化されたシステムは動き続けていて、影となった人々の記憶が存在しない魚を獲ろうとし続ける廃墟と化した町というイメージで観ていた。
卵は孵るのか、あるいは少年の言うように空なのか。少女は死んでもたくさんの卵が一斉に産み出され希望は繋がれる。町は卵の形をした島に存在しているのだから。
世界が滅んでしまうことのある種の快感と救い。それでも残る生き残りの希望への安堵。
精緻な背景美術の素晴らしさとともに異世界へと誘われるアート作品。
天才
アートに近い
AIに聞いたらキャラのセリフや言動よりも
沈黙と映像を読み取れと言われても
セリフや行動がのちの展開を左右するような映画
ばかり見てきた人間からしたら理解が難しい。
考えるな、感じろに通ずるものがあります。
これに近いのが「君たちはどう生いきるか」
が思い浮かびました。
4Kリマスターで暗い部分も
はっきり書き込まれているのがわかるので
40年前に見た人も新たな発見があると思います。
それを踏まえて
黒い目玉が上空から落ちる。
少女ははじめ青年を警戒していたが
一緒にいる時間を過ごし、
青年を受け入れるようになった。
大事なたまごをお腹に抱えないまま
眠りにつく。時を図ったかのように
青年がたまごを壊す。
少女は天使のたまごと信じ希望を抱いたのに
青年がたまごを壊し、天使のたまごではないと
信じたくなかった現実を少女に突き付け、
少女は幻滅し絶望した。
崖から落ち、水中から女性と交わる。
女性の口から出た泡がたまごとなり
水面に浮上する。と同時に地上に
たまごを抱えた植物の塔が生える。
青年が海岸?を歩いていると
砂浜には鳥の羽が舞っている。
水の中から再び黒い目玉が浮上する。
そこには少女が像の姿になって佇んでいる。
黒い目玉が箱舟の役割をしているのかな。
青年は悩める子羊(少女)を箱舟に乗せるための使者。
たくさんの像も青年が導いたのかな。
セリフは補助的なもので
画面に映っているモノや事象にフォーカス
したほうが理解がしやすいのかも。
冒頭、少女?の指が折れる。
少女のそのものの意味。
青年のそのものの意味。
たまご、鳥、水、洪水、巨大樹の石板
魚、荒廃した町、青年が乗っていた艦
ガラス瓶、漁、曇天、雨、
たまごをお腹に抱えている行為
風、成人女性、泡、水汲み、
噴水、広場、鳥?天使?の石板
ステンドグラス、教会?劇場?
銛(もり)、銃、鳥の羽、たまごを壊す行為
火、ベッド、石柱。
1985年公開作だがこのビジュアルは一見の価値あり
云十年ぶりに見た
前見たのは高校の頃の深夜の映画番組で
その時以来の視聴
当時は深夜ということもあり体感4時間ぐらいに感じたのだけど
こういう間の取り方をしている作品ということが解っている今見ると体感30分ぐらい
(上空から見た街の全景が「転覆しひっくり返った超巨大な船の底」であることに今回初めて気づいた)
もうあれから監督のコラムなどで各シーンや制作背景の話を読んでしまっているので
見た印象に余計なノイズがどうしても入ってしまうのだけど
色々忘れている場面や流れが多く、あらためて「こういう話だったんだな」
と再確認できたのは大きい
逆に当時ものすごく印象に残っていたシーンは今見ても鮮烈で
とても贅沢な90分を過ごした
発表当時セールスとしてはいまいちだったらしいけど
このへんの「監督がやりすぎた作品」の洗礼を先にウケておくと
後の監督の作品もすごく受け入れやすくなるのでお勧めだ
作品は難解といえば難解。単純といえば単純
少女と少年の近くならない関係が気持ち悪い生々しさで良い
できればもっと見やすい時間に上映してくれないものか…
あえて5とさせていただく
公開当時鑑賞してなんだかわからなかった
そして40年経た今
鑑賞してもなおなんだかわからなかった
芸術作品とはそう言うものなのであろう
あの当時海外の映画祭発表とか言うプロモーションが可能であったらまた違う評価だったのかもしれない
これが伝説のアニメ作品か・・
藤城清治風の天野喜孝
贅沢ドルビーシネマで鑑賞しましたが、これはもしや大爆死案件?
荒廃した世界で環境音多くて台詞少なめ、水の中はタルコフスキー風で拘りを感じた 最近見たflowぽくもあった
ノアの方舟ベースで聖書みたいなお話なのかな
結局はたまごのいきさつのみで謎だらけのキャラクター
宗教絡み、考察の好きな人には刺さるかもしれない
根津甚八がアニメ声優なんてめずらしい
全36件中、1~20件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
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