天使のたまごのレビュー・感想・評価
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残すべき作品、でも手放しに褒められない、けど素晴らしい
天野喜孝をアートとしても堪能出来る素晴らしい作品
某果てしなきアニメ映画で、整合性がない、説明不足、なんで恥ずかしがってるの?と怒っている人は観れないかも。
答えが明確に用意されているわけでもなく、整合性もなく、暗い背景が続く世界観です。
ネットには解説もありますが、解釈は人それぞれ、まずは観て、感じてほしい
映画館の大画面に鮮明に一つ一つ刻まれた緻密な線、重い影色、セル特有の無骨なのに優しい色合い
小林七郎の背景は力強いタッチと闇の中であっても安明をもたらす表現の緩急が素晴らしい
暗い背景に、ぽうっと、まるで光っているように美しい肌色 大きな目に、瞬けば音を立てそうな長く繊細なまつ毛
テレビ画面では味わえない豊かな表現が堪能できます。
人は信じたいし安心したい。勇気を持って信じてみたら、信頼されてしまった人はどうするのがいいのでしょう
当時のOVAでは莫大な予算を注ぎ込みましたが興行は振るいませんでした。押井守は仕事を続けなければ生活出来ない状況となり沢山名作が生まれます…これも因果ですかね。
この映画の世界と重なって見えます
費やした手間、特に作画、撮影、特効に置いてはその手間の割に売り上げだけでなく、表現できたことも少ないかもしれません。しかし実際に試してみた、やりきった、世に出した、それは素晴らしい功績。この作を表現する為に現場がアイデアをだしあって試行錯誤して学んだことは多く、それは今後の商業作品、アート作品の財産となっているでしょう
没入感に今ひとつ達しないのは音楽が大きい。音楽がもっと静かなら、無理に感情を引き出そうとしなければ、没入感が得られたのに、なんならセリフをもっと減らしてもよかったかも
そこだけ減点
正確
やばすぎがち
人間の内側にある世界をその人間の外側にいる人間として最前で見つめて踏み入って逃げまわるみたいなことをしたことがあるんだけど、それだった
あれをほとんど言葉なしでここまで表現できるもんなんやってまじで普通に感心しちゃった、映画見ないんで知らないですけどすごい人なんですよね多分作者さん
前情報ゼロだったんで何がどう展開していくんだろって思いながら眺めてたところ、あー少女の内側にある迷宮におれもきちゃったじゃんってなる。頭がおかしくなりそうな、普通にうるさすぎてまじでちょっとイラついちゃう大袈裟な音楽とかSEは、当人のなかで本当に鳴り響いているもので、いたたまれない、可哀想、おれに何ができる、外側の私には永久に寄り添いきれないやつ、実際見ててイラつきがきちゃったわけやし、ある程度距離があると可能かもだけど近くにいると、ね、おれも迷宮入りしちゃってるんだし
なにせ目的地というより行き先が未明な高速鉄道に乗せられる感覚
おれが実際に踏み入ったことのある世界はこんな荒廃一色じゃなくて、もっとふつーに最寄り駅があって商店街もスーパーも賑わってちょっと都心にいけばきらびやかなものから全て揃う日常的な景色もあったけど、この映画にはそれがなくて、でも[無い]ということが当人の切なところなわけで、そういう意味では迷宮を正確に描いているねーーー。
あの子の内側のすべてが正確やったなー
魚を仕留めようとしてる奴らが投げた槍で窓と街灯ぶっ壊れていくのまじでその通り過ぎてやばいよ、迷宮をお抱えになられてるみなさんはあのシーンほんまにキツかったんちゃうかな
あとそいつらに男の姿が目に入ってないのもね
男のキャラデザも絶妙でいい、ずっと向かって右側の前髪の生え際あたりについてる水色の何かがずっと引っかかる感じとか
Dolbyもまじ素晴らしかった
おそらく公開当時とは観客の受け取り方が変化しているであろう点も含めて、現在鑑賞する価値が大きい一作
この物語を当時と同じ描写で作るのは、今となっては難しそう…、という鑑賞感でした。
『うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー』(1984)でアニメファンから高い評価を受けていたとはいえ、新進の映像作家の一人だった押井守監督が手掛けた本作は、天野喜孝のアートデザインも相まって、不気味で耽美的だけど不思議な余韻を残す作品です。
独特すぎる世界観と、それを説明する描写や台詞の少なさゆえ、公開当時多くの観客が戸惑い、結果的に本作は興行的には振るわなかったとのこと。
テーマを理解する難しさは今も変わらず、なんだけど、その後の『パトレイバー』シリーズや『攻殻機動隊』を手掛けた巨匠の初期作ということを踏まえれば、この時点からすでに作品作りを絶対妥協したくない、という強い意志を貫いていたこと、そしてその後手掛けた数々の名作の萌芽が本作に宿っていたことに気づかされます。
公開当時は本作に宗教性を見出す評論もあったようですが、現在の視点では、幼さが際立つ少女(声:兵頭まこ)に巨大な卵を抱えさせる、つまり妊娠期の女性を連想させる姿で描くところに、宗教性よりもまず倒錯性を感じてしまうし、彼女に同行する兵士と思しき青年(声:根津甚八)の存在も、少女の庇護者というよりも未成年につきまとう成人男性、という危うさを感じてしまいます。
こうした見方は、当時前景化しなかっただけなのか、あるいは公開から40年経って、観客の受け取り方が変わったのか、一考を要するところですが、現在、同じような描写で本作を作り直すことは難しいでしょう。その意味でも、リマスターという形で本作を観ることができる機会は貴重でした!
天野喜孝の絵が動く
その美しさをただ堪能する映画。押井守が自身の著書「メカフィリア」でいうには、「潮のみちひきを繰り返し、循環し続ける世界は子宮。少女が守る卵は処女性の象徴、街が抱く巨大な卵は卵子。そこに侵入してくる少年は彼女を外界へと開く【男性】そのもの。戦車の大砲はペニス、白い鳥の羽は射精」というようなことを言っていた。そういうお話だと思う。そこへノアの箱舟の神話、鳥と天使のイメージを重ねて荘厳に幻想的に演出してくれるのがよい。
少年が少女を信頼させ、武器で卵を突き破るシーンはまさに破瓜。世界をぶち破られたことに気づいた少女の絶叫は凄まじい。少女は彼を追って水中に落ち、水中から現れた【大人の女の姿の自分】と入れ替わって、水底へ沈んでゆく。そして旅立ち。
「卵は割ってみなければ、中に何があるか分からないものだよ。」少年のセリフが印象的だ。その通り、閉ざされた世界は大切だし、守り続けることも大切だが、いつかは破られ、開国しなければならない。
それも無理やりではだめだけど、強引さも必要なのである。難しいね。
こういう4Kリマスターを待っていた。
天使のたまごのDVDを持っており
それと比べると明らかに高精細になり、細かいところがクッキリ見えるようになった。
音響もグレードアップしておりかなり迫力があった。
テレビ画面と映画館という違いはありますが、
DVDと比べると別物のクオリティになっている。
いままで、ブルーレイへのリマスター化作品を観てきた中で、かなり高精細化が成功した作品だと思う。
リマスター技術も進化してるのだろう。
この映画は、やはり、解説が欲しいですね。
ウィキペディアで、あの目玉の物体は、人工太陽と知って、なになに?どういうこと?
さらになりますが、
どういう世界線?
あの少女と少年は、何千年、何万年、
まわりが化石だらけになるほど、そこにいる、
世界線なんだろう。
最後はノアの方舟の転覆した船底?
おいおい、マジか、
深堀りするといろいろ出て来そうです。
カッケー・・・でも、やっぱ意味不明
押井と天野
音が怖かった
映像はとても素晴らしいけど、とにかく音が怖かった。結局何だったんだと思うけど、少しだけキリストを学んだ自分にとってはなんかとってもしっくりくるところもあった(個人的な意見ですが)気がする。
映画というより芸術
映像は凄い
制作から40年!を記念し4Kリマスターで劇場公開されると知り、特別料金2200円を支払い、初めて本作を劇場で鑑賞しました。
今観ても訳が分かりませんが、映像は凄いです。40年前のセルアニメでこれほどの映像美はオーバーテクノロジー過ぎます。
昔、押井守作品という理由だけで本作のレーザーディスクを購入した事があります。
きっとすごい物語なのだろうと、その期待値はすさまじいものでした。
購入後に早速プレイヤーで再生し、最初はワクワクしながら見ていたものの、やがて20分ほどで見飽きて脱落。せっかく高いお金を出して買ったのだからと、改めて見ては途中で脱落。そんなことを繰り返し、一度もまともに鑑賞しないまま、いつのまにかレーザーディスクも処分し、今は手元にありません。
若い頃はつまらないと感じても、歳を重ねて分かる事もあるかもと、今回期待を込めて鑑賞しましたが、残念ながら今観ても分かりませんし面白いとも感じませんでした。停止ボタンの無い劇場であればこそ、初めて最後まで鑑賞することができ、やっとこの映画に対してケリがついた気分です。
少女が問う「あなたはだぁれ?」、男が問う「君は誰だい?」、そして、その問いには、互いに何も答えない。なので誰だか分かりませんが、もう考えるのはやめました。
巨大な魚の影にモリを撃ちこむ男達、それは何なのか?
大きな目玉のような宇宙船?は何?
最後、俯瞰で見せた作品世界の形状は何を意味するのか?
映像世界の雰囲気を味わえれば、そういう事を考える必要はないのかもしれません。
数十年の時を経て、ようやく最後まで観る事が出来た事に今は満足しています。
再会と再生
少年と少女は誓いを交わした。
鐘がなる。
少年は少女の卵=(心)を断罪する。
それは愛の暴力であるが、少女にとっては救世主とも言えるかもしれない。
少年も痛みを背負って生きていく。
手と十字架。
強い傾倒心からは、人は成長できない。
大人になれない身体は、本物を産めない。
大人になれた少女は、天使を産めた。
少女は、元々天使であったのだ。
少女は、自身の再会と共に去る。
天使を探していた少年は、出逢えたのだ。
真っ直ぐに十字架、痛みを抱え生きていく。
少年少女に関わらず、
人は成長しなければ、真実と向き合わなければ、
本物は生み出せない。
自分の天使、本来の自分を手に入れられない。
アートを「評価」するわけにはいかない
残念ながら私の口には合わなかった。
感想すら記することが憚れる。
しかし当たり前だが、個人の感じ方や理解の度合いの面で「合わなかった」ことがイコールその作品の価値が低いことにはならない。
なので、☆を「0」ともできないし「5」にもできない、という意味で真ん中の2.5としました。
映像と音楽を楽しめれば
押井作品のたまごでした
欲望についての話に見えた
すげぇー!押井守は40年前から押井守だったんだな。
ってか、よくこの企画が通ったよな。明らかにアート系。
他の人の考察を何も見ずに最初の印象のストーリー。多分こんな話だったんだろう、という自分解釈の考察、あらすじ。
[あらすじ]
デカい目の不気味な像が宙に浮いています。デカい目に見えてますがよく見ると人型の石像の集合体。大きな剣を持った男がそれを眺めてます。
その石像から遠く離れた廃墟にたまごを大切に温めている女の子がいました。水が好きで大きいボトルに入れてごくごく飲みます。森にいるとなんか不安。あと食うものがないので街に行ってジャムみたいのを盗んで食べます。街は荒廃していて人がいません。
噴水に人がいた!と思いきや漁師軍団でした。女の子は怖くなって逃げます。
すげぇ不気味な戦車がギュルギュル音をたててゾロゾロやってきました。戦車から剣を持った男が降りてきます。
剣持ち男がついてきて女の子は逃げますが先回りされました。しかも「大切なたまごは自分のお腹にしまって」とたまごを盗んだ上で偉そうに言います。女の子はたまごを取り返しました。
漁師軍団は街を泳ぐ影の魚を追います。しかしいくらモリを投げても捕まえられず。窓を壊すばかりです。女の子は「いもしない魚を追ってる」と呆れ顔。
男は昔話をします。大雨で洪水が起きて人も動物もほぼ死んだ。生き残った人が大きな鳥を飛ばして世界を再現しようとしました。
男はこの昔話の鳥を探していました。
警戒心を持っていた女の子はだんだん男に心を開いていき自分が寝ていた場所に案内します。
そこは石になった大きな鳥がいた場所でした。女の子は大きな鳥のたまごを自分があたためているんだみたいなことを言います。
女の子はベッドに寝ました。男は焚き火をたいて見張ります。どうしよっかなー女の子寝たかなーと黙っていた男。ふいに動いて剣でたまごを割りました。
女の子が目を覚ますとたまごが割れていました。たまごの中はカラでした。女の子は発狂して叫びます。
女の子は男を追って走りますが崖から落ちて川に沈みました。沈む瞬間に大人の女性になり泡から沢山のたまごができて川に浮かびます。たまごは木にも沢山できました。
そして女の子はデカい目の像の一部になってしまいました。死んで墓ができたのです。
それを見て男は「女の子も結局無いものを守り続けて、しかもそれが割れただけで発狂して死んじまったなあ」とむなしく思います。
この世界では欲深い魂の人間が死ぬたびにカラのたまごができるのです。
これが「天使のたまご」です。無駄にでかいたまごがそこら中にできて男は次々と割らないとならないのです。
カメラがどんどんひいていき鳥の視点になります。大きな鳥は今もはるか彼方の大空から見下ろしているのです。欲深い人の業を眺めながら。
[あらすじ終了]
個人的には人間の欲望の話に見えた。
そもそもあらすじをわざわざ考える必要がある、というのがすごいよな。全然分かりやすくない。
他の人の考察も見たがなんか全然違うことを言っているので自分は的外れなことをのせている可能性もある。
この映画はきっとこんな話だったんじゃないか?とあれこれ解釈して楽しむ系のもの。押井守監督自身もインタビューでそんな感じのことを話していた。
押井守監督はこういう感じのが多くて『イノセンス』や『スカイ・クロラ』あたりもこんな感じで何なら『ガルム・ウォーズ』もこんな雰囲気があった。
やりたいことはそういう意味では明確。分かりやすい映画ばかりが映画じゃ無いよな?!こういうのもあっていいっしょ!という姿勢が既にこんな前からあったのはやはり只者じゃないよな。こんなチャレンジングな企画が許される時点ですごいわ。
今回、音響がいいドルビーで観たら、戦車がギュルギュルギュルいって動く音がうるさいのよ。そんな音を轟音で聞きたくないわ、と。しかしこの体験こそ、映画館の醍醐味。
全然万人にすすめられるものではないけど、こういう作品も劇場で公開できる、何なら結構客が入っている、というのはいいことなんだろう。日本のアニメ文化の文化たる所以。
グレンラガンと豪華2本立て‼️
タイトルなし(ネタバレ)
40年越しの宿題を終えるために劇場に行きましたが、寝てしまいました。
ビューティフルドリーマーで押井守に魅了され、
紅い眼鏡も嗜んでいましたが
それでも、何が何だかわかりませんでした。
帰宅してウィキペディアを読んでなるほどと思いましたが、
もう一度見ようとは思いませんでした。
でも、難解な作品であることはわかっていたことで、
それも含めての作品鑑賞だと思い、今は満足しています。
こういう気持ちを味わうためなら予習なしに行くべき。
でも、予習していくのも悪くないと思う。
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