「主観撮影をしないならタイトルの意味は?」REC レック3 ジェネシス Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
主観撮影をしないならタイトルの意味は?
この時には既に主観撮影を用いたホラーが世界的に飽きられていたのか、途中でタイトルにもなっている「REC」をしなくなる。どういう展開でそうなったのかと言うと、カメラが破壊された為である。何度かこれは「REC」シリーズとして観て良いのかと自問した記憶があるが、POVブームの一端を担った作品で、自らでその手法に別れを告げるとは、この飽きられたPOV作品に一石を投じる形になったのだろうか。これは完全に皮肉と捉えて良いのだろう。
第1作目と同時刻で、結婚式場に舞台を移しているのだが、徐々に恐怖が忍び寄り、"手を犬に噛まれた"叔父さんが2階から転落し、救助に当たった妻に噛みついたところで前作より更にパワーアップした大惨事になる。POVでは無い分、それぞれが置かれた状況が明確であり、確かに改めて観ると「観やすい」と感じる。
本作の面白い所は新婚の夫婦があの手この手で再会すべく奮闘するというのがメインという所だ。覚悟を決めたラブラブ夫婦はとうとうブチギレるのである。新婦、クララは最初こそか弱そうなイメージだったが、動きやすさを重視する為ドレスを引きちぎり、チェーンソー片手にゾンビ軍団に突っ込んで行くのだ。すっかりと「切り株映画」と化したがゾンビ映画はやはりスプラッタ全開でなくては。
一方で新郎は教会にあった甲冑をフル装備で着て、古典的な剣で真っ向勝負するのだが、これは笑いどころと捉えて良さそうだ。この様に時折お笑い要素があるのだが、とことんスベっているのがツボである。 どうもあのシリーズの最新作と言われると残念な感じはするが、ゾンビ映画のポイントは良く押さえた作品だろう。
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