汚れた心のレビュー・感想・評価
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恐ろしい日本人同士の出来事
ブラジルの日系移民社会で起きた本当に会った事実を題材に作られた映画。日本軍国主義のもたらす狂気。情報を正しく理解することなく、精神力で戦争を推し進めてきた日本人の恐ろしさを見た。反対するものは国賊と呼んびさげすむ人たち。集団心理から裏づけのない凶器の行動が始まる。
ブラジル人の原作・監督による映画。ブラジルでの評価はどうったのだろうか。
WOWOW
日本人の愛国心の一つのあり方がわかる
常盤さんと余さんの迫真の演技が素晴らしかったです。
そして、物語の悲劇性とあいまって、ブラジルの風景が非常に心に沁みました。
私は実際にブラジルに行って、この終戦後の「勝ち組、負け組み騒動」について、色んな人から話を聞きました。
今の我々からすると
「どうしてそんなバカなことを?」
と思うかもしれません。
でも、それだけ純粋に、はた目には狂気のように自分の国を愛し、出自を誇り、大切に思うようになった背景には、情報があまりなかった事に加え、連合国側についたブラジルで、実際に日本人移民が差別されていたり、抑圧されていたという事が大きかったようです。
そういう状況の中では、人は狂気に走らざるを得ないし、ましてや空気を読み、周りに合わせる日本人ですから、疑義を差し挟む余地は少なかっただろうと感じました。
それは情報がたくさんある今の日本でも同じ事で、原発反対とメディアが言えば、それが正義になり、喫煙は体に悪いとなれば、喫煙場所はドンドン制限され、竹島に韓国大統領が上陸した!ケシカラン!とざわめいてしまう・・・。
この映画の中に描かれている人たちを軍国主義者だとか特別な目で見たり、戦争による悲劇だとか言わず、今の自分に引き寄せてみると、自分にもそういう狂気はあるな、と素直に考えさせられます。
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