「ニコラス・ケイジのアメコミ好きっぷりが作品通して伝わります」ゴーストライダー2 永賀だいす樹さんの映画レビュー(感想・評価)
ニコラス・ケイジのアメコミ好きっぷりが作品通して伝わります
ゴーストライダーは何でも燃やす火を全身にまとっているから一切の物理攻撃が通用せず、また土くれどころか空気や水まで燃やすという荒業を持ち合わせ、贖罪の目(ペナンス・ステア)と呼ばれるガンたれは悪人に罪の重さをそのまま倍返しするという無敵っぷり。
前作の「ゴーストライダー」では、その最強ヒーローっぷりを披露しつつ、人間ドラマと謎解きで楽しませた作品。
またバイクが変形するシーンやライダーの爆走フルスロットルを、いくぶんジョークめかして魅せつけまくってくれました。
だから今作もたっぷり期待して劇場に足を運んだわけですが、あにはからんや。
敵役は基本的にごくふつうの悪人だし、話の展開はとっても唐突だし、アクションも全般的にチープ。
前作で空気や水の悪魔もあっさり撃退しちゃったヒーローに、チンピラ崩れの傭兵集団をぶつけたところで一蹴しちゃって当然。どうしてエンディングに突入しないのか不思議なくらい。
後半に入ると少しだけ手ごわい敵も登場するけれど、映画の中ではイマイチ活かしきれてない気がしてなりません。
クエスト発注人の黒人僧侶も前半はいい味出してたのに、後半はショボくれた印象。やっつけ的に特攻野郎に挙手されたところで、観客はあんまり感情移入できないのだよね。
そんなこんなで前作と比較してしまうと、今作はまるっきり別物に思えます。
確かに「ゴーストライダー」というキャラクターは投入したものの、シリーズとしては劣化継承されちゃいました。
youtubeのインタビュー動画でニコラス・ケイジが
This movie is complete different from the before.
(この映画は完全に前作と別物だよ)
と言ってるのもむべなるかな。
前作と比較してパワーアップしたのはヒロインのバトル参加率くらい?
個人的には色っぽさも上昇してると思うのだけど、子持ちママだから万人ウケしないのはマイナス点。
では評価。
キャスティング:5(ニコラス・ケイジがアメコミ映画に参加したいという熱意はわかった)
ストーリー:1(全般的にシーンのつなぎ、キャラクター性が無視されてる)
映像:3(公式サイトで説明読めば興味持てるギミックがあるかな、くらい)
燃焼:2(前作と比べたら燃え足りない)
予告編:8(見どころシーンの凝縮っぷりは見事)
というわけで、総合評価は50満点中19点。
こんな映画であっても参加したニコラス・ケイジのアメコミ好きに、作品通じて感じたいという人にはオススメ。
ラブ要素を期待してデートに選ぶのは大間違い。別の作品を選択しましょう。