「80年代なバイオレントアクションが好きな方なら」バレット 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
80年代なバイオレントアクションが好きな方なら
シルベスター・スタローン主演、ウォルター・ヒル監督
という古参2人がタッグを組んだハードアクション。
なんかスタローンとウォルター・ヒル監督って
3作品くらいで一緒に仕事してるかと思い込んでたが、
意外や今回が初タッグだそうで。
僕は昭和末期の生まれなのでウォルター・ヒル全盛期を
知らない訳だが、『48時間』の1,2 や『レッドブル』
くらいなら小さい頃に地上波で観た事がある。
かなりバイオレントな上、裸のお姉さんも大勢登場するので
子ども心になんか気まずい感じを覚えつつ観てた気が(笑)。
それでもっての本作の感想な訳だが、
観ながら常に考えていたのは『うっわー、
いかにも80'sって感じだなあ』という感想。
ぶっきらぼうで武骨な主人公。
それに振り回される相棒とのやり取り。
爪の先までキレイな人間なんてのも一切登場しない。
正義云々よりも暴力がものを言うという、
なんというかこう、猥雑な感じの世界観。
ストーリー展開も
1. 手掛かりになりそうな悪党を発見
2. 悪党から手掛かりを聞き出す
3. ぶっ殺す
4. 手順1~3を繰り返す
というキューピー3分間クッキング級の簡単レシピ。
アクションのバリエーションが多ければ飽きないが、
基本的には拳での殴り合い、合間にちょっとだけ銃、
という感じでわりかし単調な展開が続く。
シナリオにも映像演出にもトリッキーな部分は無いので、
昨晩寝たのが遅かったせいもあってか、
中盤以降はちょっとウトウトしてしまった。
あと本作、一応はバディアクションのハズなのだが、
スタローンとタッグを組むクォン刑事のキャラが
圧倒的に薄いのが困りもの。
『ケータイばっか使って捜査する、今ドキの青二才』
という位置付けだったのかもしれないが、
青二才キャラをやるには見た目が濃すぎて
フレッシュさが全くない(苦笑)。
気の利いたジョークを飛ばすわけでもないし、
文句は多い割に大した働きも見せないし、
(ぶっちゃけ電話の向こうにいる
オペレーターさんの方が役立ってるぢゃん)
バディアクションの醍醐味である主人公コンビの
チグハグなやりとりやコンビネーション
といった面白さはあんまり無い。
ま、スタローン単独主演だと割り切れば気にならんけど。
けどクライマックスの◯◯ファイトは迫力があったし、
肉弾戦の音もずしりと重い。肉の重みや痛みが
しっかり伝わるアクションだったので、そこは最近多い
軽くてリアリティのないアクション映画よりはグッド!
あと、全編に流れる音楽も個人的には好み。
音楽には疎いのだけど、こういった音楽って
何てジャンルに分類されるのかしら。
単なるロックじゃないしカントリーでもないよね。
他の作品に登場した曲で言うなら『コラテラル』の
『rollin´ crumblin』みたいな感じでクール。
以上!
ウォルター・ヒル+スタローンだったら
こんな映画になるのかなあという予想を
良くも悪くも裏切らない映画。
彼らの過去作のようなノリの映画を
スクリーンで観たい、という方にはオススメかな。
〈2013.6.1鑑賞〉