「ファンムービーとして」劇場版 TIGER & BUNNY The Beginning ひーちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
ファンムービーとして
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タイバニをかいつまんで紹介するにはまずまずの出来、という作品。
本編には殆ど登場しない虎徹さんの亡き妻・友恵さんについても描かれているのが、鏑木夫妻ファンには嬉しいところだろう。
残念な点があったが、最初にことわっておくと声優さんたちの演技は素晴らしい。にも関わらず残念な点が見えてしまうのが、本当になんともはや、コアな本編ファンの身には辛いところ。
一番わかりやすく残念なところは、肝心のヒーローたちの描写が些か形式化されてしまっているところだ。単身赴任の男やもめだから女々しくとか、ツンキャラだからもっと憎たらしくとか、女子高生アイドルヒーローだからお色気といった具合に、目立つ設定が強調されすぎてしまっている。
それが顕著なのがブルーローズ。確かにヒーローとしては「セクシーで小生意気な女王様キャラ」ではあるが、カリーナ本人はアニメ本編の中でそれを嫌がっている。彼女はシンガーになるためにその設定を渋々受け入れているだけで、ナイスバディでもない(公式設定で胸はスーツの造形で大きく見せている)普通のツンデレ女子だ。従って、本作中のお色気シーンは明らかに蛇足というか解釈上不自然である。
細かい人物設定までなされている作品でちょくちょくこのような「?」が出てくるのは、いただけない。
さらに言えば、虎徹さんがあの段階であれほどド新人相手に大人の余裕をかますというのは考えにくいし、プロットとしても難がある。
もっとも、そういった細かいところは気にしない、好きなキャラが動いているだけで満足な向きにはいい作品だろう。この作品をきっかけにアニメ本編に進む人にもわかりやすいかとは思う。
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