「見せ方次第では秀作になり得た凡作」ビトレイヤー arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
見せ方次第では秀作になり得た凡作
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冒頭、大物犯罪者のスターンウッドが一仕事終え、近未来を思わせるひと気のないロンドンの街を逃走するシーンはスタイリッシュでゾクゾクする。
この作品、冒頭はこれから何が起きるのかワクワクする展開なのだが、徐々にペースダウンでしりすぼみ。
終わってみれば、どうにも物足りなさが残る。この物足りなさはどこから来るのかを考えてみる。
まず、大物犯罪者スターンウッドにマーク・ストロング、それを追う熱血刑事マックスにジェイムズ・マカヴォイというキャスティングには文句なし。スターンウッドの仲間ロイにピーター・ミュランというキャスティングも渋い。
明らかになった真相が想定内だったとしても、真相が明らかになる過程の見せ方によってはもっと空恐ろしさ、リアリティを感じせることが出来たんじゃないだろうか?
それには、まずイギリスでは、刑事は通常銃を携帯することが出来ないという社会背景をきちんと見せる(説明する)必要がある。
結局これが事件の黒幕の動機だったのだから。スターンウッドとマックスの因縁についてはもうちょっと描写があってもよかったかもしれない。
宿敵であると同時に命の恩人であるスターンウッドとマックスの対立の構図は悪くなかっただけに秀作になり損ねた惜しい凡作だった。
マーク・ストロング、いいですね〜。
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