台北カフェ・ストーリーのレビュー・感想・評価
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癒やされるカフェ
グイ・ルンメイが主演なんで観たかったんだが地元には来ず、そしたらDVD化前の2013年正月に地元ローカル局で深夜に放送され観ることができた。DVD化は確かその年の半ばほどだったか後半だったはず。
OLを辞めて念願のカフェ(喫茶店)をオープンした若い女性が主人公。なかなか繁盛しない店を手伝う奔放な妹の発案で始まった物々交換のおかげで店はガラクタが増えていくが、やがてそれが店の魅力あふれる名物となり様々な人が訪れるようになっていく。そしてその物々交換に、かつて旅した世界中の35個の石鹸を持ち込んだ男性が語る、その石鹸にまつわる35の物語によって姉妹も癒されていき、彼女たちの中で何かが変わっていく……。
緩やかに淡々とちょっとだけクールに進んでいく物語で、ゆったりと観ていられる。女性店主が癒されていくのと同じように観てる側も癒されていく。なかなかの佳作でした。
それにしても雰囲気のいいカフェで、コーヒーもケーキも美味そうだし、美人姉妹がやってる店だし、特に店主はグイ・ルンメイだし、どう考えたってあのカフェが流行らないわけはないと思うんだが(笑)。特に野郎どもなら絶対に店の常連になるだろ。てか僕だったら絶対なってるし。喫茶店好きとしてはこんな店あったら絶対行きたい。ま、映画としてはそこら辺はお約束ですかね。
みんな大好きグイ・ルンメイ
脱サラして妹とカフェを開店した女性の話。
36個故事っていうくらいだから、世界各地から持ち帰った36個の石鹸に寄せた物語が映画の中心かと思ったら、物々交換を通じて起きるカフェに集まる人々の話。
物々交換。贈与と互酬性。学生時代に文化人類学で出てきた言葉を思い出す。そういえば、その授業の教授のフィールドワークは台湾の山岳民族だったような記憶が。
このカフェでお金をとるのは、コーヒー(とスイーツ)だけ。店内の物品については決して販売してもらえず、他の物品との交換によってのみ手に入るのがルール。
貨幣経済に慣れた我々はこのようなルールを前にすると、価値の判断基準がないことに混乱する。しかし、映画で何度も言及されるように価値は人によって変わるし、だからこそ自分にとって思いもよらない値打ちのあるものを手にする可能性がある。だから通貨を介在させない物々交換でも何の問題もないどころか、両者の幸福を生み出す近道をそこに見出すことができる。
互酬性に基づく人間関係を、もしも現代社会に目に見える形で築いたら、という人間関係の原初形態を夢見るストーリー。
「薄氷の殺人」で一目ぼれしたグイ・ルンメイの特集ということで、本日3ルンメイ。
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