「160km級のストレート」希望の国 Pegasusさんの映画レビュー(感想・評価)
160km級のストレート
園子温がエログロを封印し、原発事故の不条理をドストレートに描いた作品。
最初は、園子温らしい大袈裟な演出と演技で作品のノリについていけないが、だんだん自然にそのノリに乗っけられる。
一度乗っけられたら、そこからはドストレート過ぎるストーリーや演出がめちゃくちゃ響く。
「故郷を捨てる」なんて放射能が飛んでたら簡単にできるものだと思ってた。少なくとも命を捨ててまでいとどまる必要は無い。でも実際にそうなると辛いよなって思い知らされた。
だって産まれて育ち思い出しかない故郷を家をある日突然、出ていけって言われてもそりゃ納得できない。見るからにヤバいならまだ分かるけど、空はいつも通り青いし、花はいつも通り咲いてるし、空気はいつも通り透明だし。何一つ変わらないのに急に「出ていけ」って言われても納得できないはずだよ。
うーん。やっぱり原発ってどうなんだろう。簡単に「なくせ」とは言えない。忘れていけないのは、田舎の原発で発電された電気は都会で消費されといるということだ。
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