「すき家ー!」大奥 永遠 右衛門佐・綱吉篇 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
すき家ー!
映画版、TVドラマ版、と観てきたのでこれもとりあえず観る気で
いたんだけど、考えたら原作マンガってぜんぜん知らない…^^;
と思っていたら、劇場に試し読みコミックが!やっぱりと手に取り
読んでみたけど、う~ん…絵面には興味なし(すみません)だった。
今回はドラマ版と連動(ではないけれど)する部分があるものの、
同じ俳優を使って、まったく違う役を演らせているせいで(堺雅人)
ドラマの有功のイメージで今回の右衛門左を見ると、えぇ~!?と
いうくらい人物が違う。堺ファンなら何でも受け入れ態勢だろうけど
あまりに近々に公開されたため、イメージを絡めて観てしまうのは
致し方ないことかと…。堺にしろ菅野(綱吉)にしろ演技に苦労なく、
最初は何で菅野美穂?と思ったけれど、この綱吉はお嬢様上がり。
ちょっと違うけど、これもドラマ流れで彼女が出ていたドラマと少し
被る部分があり(結婚しない)、数多くの男と出逢い交流を重ねても、
本気で愛し合える相手とは巡り会えない将軍の悲哀を後半は絶妙に
醸していたと思う…。ただ彼女、老けるはずなのに老けていかない^^;
とても閉経したとは思えない風貌に、後半、やっと右衛門左と…の
一戦(爆)を交える機会に於いても、あの背中の綺麗さなどあり得ない。
それでも周囲からは「オバサン」扱いって…
なんかそういう年齢の観客に対して微妙に切なさを与える場面多し。
綱吉といえばあの悪名高き「生類憐みの令」。
実際には今作で描かれたような傍からの入知恵(精神論)だったらしい。
Mアントワネットと同じく高い処で何も聞かされず生きている無知を
あとで聞かされてあらビックリ、知らぬ存ぜぬで高貴に暮らせるなら
一生バカ野郎でいた方が幸せなんじゃないか、と思ってしまうところ。
お犬様が蔓延る村中では病が蔓延し、綱吉を恨む村男が彼女を暗殺
しようと潜り込んで、もはや用済みを自覚した綱吉はある決心をする。
しかしそこで、、、右衛門左が。
「好きやーー!!」
…え?なに?すき家って。牛丼が頭に浮かんでしまった。
演技の流れは悪くないのに、なんでそこですき家?というタイミング。
更に後ろから追っかけまわして、好きや~好きや~って^^;、オイオイ。
菅野ちゃん、やめて~離して~の這いずり回りで、そのあと一件落着。
いや、この二人が結ばれるのは非常に自然な(ここまでが不自然すぎ)
流れなんだけど、あまりに延ばされた挙句、唐突にそうなるがために、
口ポカン。そして改めて、この演技派二人、ラブシーンが似合わない。
まぁ元々が男女逆転の大奥。という奇想天外な異色時代劇だけに、
多少の無理難題は往々に任せて楽しく観られるのだが、話の流れが
せっかくのクライマックスに近づき、それでいつ終わるんだ?の疑問を
断ち切るために選んだのが、この唐突なる、すき家告白。なのかなぁ^^;
豪華絢爛、華麗な大奥の舞台を豪華衣装と共に観られる贅沢さ、
しかし綱吉や右衛門左の生き様は計らずもラストまで哀しく描かれる。
ドラマ版(のラスト)の方が好きだけど、それを今作とも巧く絡めている。
(しかし権力を誇示し続けるのも大変だ。女将軍じゃ身体も痛めるしね)