「【蜷川実花監督の唯一無二な色彩感と、沢尻エリカさんの女優人生を全て捧げた渾身の演技に圧倒された作品。】」ヘルタースケルター NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【蜷川実花監督の唯一無二な色彩感と、沢尻エリカさんの女優人生を全て捧げた渾身の演技に圧倒された作品。】
ー 2012年当時、この作品を酷評する方が多かった記憶がある。
沢尻エリカの言動が世間からバッシングを受けていたし、実際酷い態度をインタビューの際に取っていた。ー
・しかし、この作品の完成度と、当時の沢尻エリカの言動は関係ないと、私は思う。
蜷川監督の独特の美意識を根底に置いたビジュアルのインパクトの強さ。
沢尻さんの体を張った演技及び彼女を取り巻く
(今にして思えば、何とも贅沢な男優陣の確かな演技)
寺島しのぶさんを筆頭にした安定した役者さんたちの佇まいがとても良かった。
・眼と性器以外は”作りものだよ・・”と樹木希林さん演じたマネージャーが言った言葉と、全身整形による合併症により片目を失い、身体にも痣が出て来ている沢尻さん演じる”タイガーりりこ”の、妖艶を遥かに超えたアイパッチを身に着け、足を組んで不敵な笑みを浮かべる姿を、大スクリーンで観た者にとっては、”R15+”でも、良いのではないか!と思う程、強烈なインパクトがあった作品である。
<今作のパンフレットは、強烈なモノであったし、表現者としての沢尻エリカさんの姿は忘れ難い。彼女は、今作で全て燃焼仕切ったがゆえに、破滅への路を辿ってしまったのではないか・・、と思う程のインパクトを与えられた作品。
私は、今作が如何に酷評されようとも、支持する気持ちは変わりない。
映画館で、映画を観る魔法にかかった作品の一作である。>
<2012年7月23日 劇場にて鑑賞>
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