ゼロ・グラビティのレビュー・感想・評価
全472件中、21~40件目を表示
物語は1分あれば説明出来る
設定が面白そうだと思い鑑賞したが、久しぶりにこんなにつまらない映画を観た。
私自身、科学的な知識は乏しいが、宇宙の基礎的な知識くらいはある私が観て有り得ないだろうと思う部分がいくつも有った。
宇宙が非現実的なのは分かっているが、それでも有り得なさすぎて物語に集中できない。その時間空気なくて平気?火そんなに近くて大丈夫?うまいこと生き延びたな…とツッコミが頭の中に湧いてきて騒がしい。
アカデミー賞ノミネートしたり、レビューを書いてる人の評価が高く驚いた。
確かに映像はキレイでリアルでは有ったが"映画"というからには物語ももっと重要視してもらいたいところだ。
ロングショットの新境地
ヒッチコック『ロープ』からクエンティン・タランティーノ『パルプ・フィクション』に至るまで、映画の迫真性を増長する技法としてロングショットは大きな価値を持ってきた。
それというのもカメラに収められた映像というものは、カメラに収められているという点において現実に起こったできごとだから。リアリティがある、というかリアルそのものなのだ。
それらの映像を事後的に編集することによって「映画」が出来上がるわけだが、編集は多ければ多いほどリアリティが抜けていく。編集というのはある意味で神の手であるから、物語のそこかしこに神の手が見えてしまったら、我々は満足にサスペンスや興奮を感じることができなくなる。
だからこそ編集のないロングショットというものがリアリティという観点において大きな価値を有していたのだと思う。ロングショットの申し子として名高い相米慎二は長回しは否応なく役者の本質を引きずり出す、といったことを言っていたけど、これもまたロングショット=現実の転写という等式を内面化した上での発言だろう。
これらを踏まえた上で本作に立ち返ってみると本当に不思議な気持ちになる。のっけから『黒い罠』を彷彿とさせるようなロングショットで映画が始まって、破片衝突までの様子が描かれる。カメラは文字通りゼログラビティで宇宙空間を彷徨いながら主人公たちの動向を映し出すのだが、あまりにも画角がフワフワ揺れるものだから酔ってしまいそうになる。自分まで宇宙空間に放り出されてしまったかのような錯覚に陥る。
しかし言うまでもなく、この映像はまったくもってリアルの転写などではない。いくらリアリティがあるとはいえ、実際に宇宙で撮影したわけではない。言ってしまえばすべてが事後的な編集の産物だ。にもかかわらずそこには手に汗握るサスペンスと湧き上がるような興奮がある。
現実をそのまま転写する、というロングショットの本質の一つであったはずのものが完全に抜け落ちているというのに、私はこれをロングショット以外の言葉で形容できない。マジでなんなんだ、これは。
『トゥモロー・ワールド』終盤の銃撃戦シーンにも同じようなロングショットがあって、恐ろしい監督だなあと思っていたが、それが本作で大爆発したといったところか。
映像処理技術のめざましい発展によって、もはやロングショット=現実の転写という等式は瓦解しつつある。本作のような非ロングショットなロングショット映画というものはこれから先もどんどん増えていくだろう。
いつまでも「長回しは長けりゃ長いほどいいんだぞう!」みたいな映画史オタク的な妄執に取り憑かれていてはいけないのだなと思った。
アルフォンソ・キュアロンは青春モノから大作シリーズものまで幅広く務めるオールラウンダーだけど、序盤の小気味よくナンセンスな雑談パートは『天国の口、終わりの楽園。』の頃の作風を彷彿とさせた。危険や死と隣り合わせでも軽口がポンポン飛び出すあたりがメキシコの映画監督という感じ。
迫真の演技で終始ドキドキしました。
最近宇宙の話をよく聞くことが増えたので、宇宙映画見ようと思い、実に公開日から8年?近く経ってようやく観る機会が作れた。宇宙空間に放り出される話という認識は持っていて、一体どんな困難が待っているのかと期待して見たら、サンドラ•ブロックの迫真の演技に終始緊張しっぱなしでした。そして、ジョージ•クルーニーの安定感は素敵すぎる。こんな大人の男になりたい!忘れた頃にもう一度見たい!
SFの大傑作
今まで観たパニック・サスペンス系のSF映画の中でも、3本指に入る。 多くの賞を受賞しているのは、納得だ。
登場人物は、最初から最後までサンドラブロックとジョージクルーニーの二人だけ。 そのため、宇宙空間での人間の無力さと絶望感が、よりひしひしと伝わってくる。 冒頭はのんびりした宇宙船外活動のシーンから始まるのだが、事故が起こるまでの展開が、あれよあれよという間に進んでいく。 そこから最後までは緊張の連続で、一瞬たりとも目が離せない。
特筆すべきは、その演出にある。
映画の中心に据えられているのは、登場人物の二人よりも、むしろ宇宙空間そのものだ。 最初は、無重力と静寂が心地の良い母体の中のような落ち着きを感じさせてくれるが、 超高速のクラッシュが発生した途端、一気に生命感の無い暗黒が画面を占有していく。 特殊効果による宇宙空間の映像表現が、とにかく凄い。
事故の激しさを演出するための爆発音や、役者の大げさな叫び声などは、一切排除されている。 冷静さを保とうとしながら、やるべき作業について無線で連絡し合う二人の会話だけが緊迫感を高めるのだが、この演出が効いている。
素晴らしい演技でアカデミー主演女優賞を獲ったのは、サンドラブロック。 ジョージクルーニー演じるベテラン宇宙飛行士も、彼にしかやれないはまり役。 ラストシーンは感動的で、特に素晴らしかった。 脚本、演出、撮影、特殊効果、音楽、演技、すべてが噛み合い完成した、傑作中の傑作だ。
犠牲になる勇気と生き残ろうとする気力
サンドラブロック扮するライアンストーン博士は、ジョージクルーニー扮するマットコワルスキーとともに宇宙空間で修理にあたっていた。ところがシャトルが衝突により損傷し、はずみでストーン博士が飛ばされ漂流していた。
一人宇宙空間に飛ばされたら酸素は心配だし恐怖に陥りパニックになるだろうな。如何に冷静に対処するかが問題だし、チームメイトとの信頼感も重要だろう。自ら犠牲になる勇気と生き残ろうとする気力も大したものだ。完全にサンドラブロックとジョージクルーニーのふたり芝居だったが、劇場でも面白いと感じた事を思い出した。
思考よりも視覚で楽しめ
映画館で、ましてやiMaxなどで観なくてよかった、と思うほどの圧倒的映像。
もし観ていたら絶対に酔っていたと思う。
民間で宇宙旅行が可能となった昨今、宇宙からの映像は手軽かつ鮮明に見られる。
比べても遜色ないどころか、同じにさえ感じられる宇宙や施設、機材の再現度がすごかった。
(スペースシャトルが現役、というところに古さを感じる程度か)
これには当時、みなが腰を抜かしていたこともうなずける。
のみならず全編が無重力設定だ。
ゆえのあの動きとカメラワーク。船内、船外、寄ったり、引いたりはどうやって撮影したのだろう、あまりCGっぽさも感じられず興味は尽きない。
(と思えばメイキングで見る限り演者を装置で吊ったり、回転させた映像へCG加える手順だった。工程は緻密かつ複雑ながら、仕上がりのシンプルさがどうやって撮影したのか不思議に思わせているのだろうな、と思う)
スペースシャトルからISS。ロシアのソユーズから、中国の宇宙ステーションを経て中国の帰還船と、オールスターな構成もサービス満点で見ごたえあり。
細かいところを考えると「それはオカシイ、ムリムリ、なんでやねん」と思わないわけでもないが、
ノンストップの脱出サスペンスと思えば、次々襲い来るアクシデントをかいくぐり、ちぎっては投げ、ちぎっては投げ、
諦めそうになっても奮い立ち、手に汗握るどころか、最後は運を天に任せる潔さで感動さえ与えてくれる本作。
やはり観るのは、それら怒涛のジェットコースター展開の途切れなさであって、
引き立てるスキなき映像もあわせれば、まだまだ十年後だろうと通用しそうな作品だと感じた。
一番引き付けられたのは、たくさんの破片と共に大気圏突入のシーン。
「ファーストマン」なども合わせてみると、あの恐怖がなおさら肉迫、とお勧めしたい。
憧れの無重力と、宇宙空間の恐怖を同時に味わえる。
・・・のだが、どうにもサンドラ・ブロック演じるライアンに、終始苛立つ程の違和感。
現実を直視しない冷静さの無さ、時間という限られた中での行動への躊躇。そこからお約束の様に訪れる危機、そして事故。とても宇宙飛行士として選ばれる資質ではないはず。人間らしいと言えば、人間らしいのだが。
批評はしてみたものの、やはり手に汗握る展開と、これでもかと見せつけられる宇宙空間の美しさ。この為だけでも鑑賞する価値は充分にある。
諦めたら終わりという''無限に広がる空間''。
宇宙船、宇宙服という''閉塞された空間''。
"生きる"という事へ執着する重要性。
そして、それらを含めて全てを悟っているジョージ・クルーニー演じるマット。
登場人物の設定をここまではっきりと明確にしたのは意図があっての事で、そこにどれだけ引き込まれるか。この90分という非常に短い尺の制限の中で、脚本をしっかりまとめるにはこれだけの思い切りも必要と感じる。出来る限り無駄を省き、伝えたい物語をストレートに鑑賞者へ。だからこその2人、表現が出来るこのキャストでもあったのだと思う。
この【ゼロ・グラビティ】で起こる事故の切っ掛けは、やはり人為的なもの。
起こってしまった事への対処、細かな所に気配り、目配りがどれだけ大事か。そこに至るまでの経緯で、どれだけ真摯に取り組んだか。たった一つ見逃した切っ掛けが大きな事故に繋がっていく怖さ。
酸素が必要で、火花が散り、水があり、重力がある。改めて地面で重力を確認、体感して"生"を感じる。前半の悲劇はとりあえず置いておいて、ホッとするラスト。さすがアカデミー賞という演出、映像美。SFというよりは、とにかく宇宙が好きな方は是非。
追記:
2023/02/23 地上波にて吹替版を鑑賞。
改めて観てもライアンの慌てぶりとそそっかしさに苛立ってしまうが、やはり演出がとにかく素晴らしい。再評価★+0.5にして修正。
世界観をアピールするための無駄と思えるようなシーンがほとんどないか...
世界観をアピールするための無駄と思えるようなシーンがほとんどないからストレスなくサクッと見れた。
船内での火災は手に汗握るようなドキドキが味わえたが消化器で移動するのは現実的に思えずジワりときた。
重力の恵み
最後のシーンは重力を生物学、神学、哲学的視点から解釈することができて面白い。
生物学的には水中生物から二足歩行までの進化する途中における重力の役目が表現されているし、
神学的には長いあいだ無重力状態であったことの罰として水中で溺れかけた。
哲学的にはエーテル→空気→火→水→地というアリストテレスの5元素が表現され、理想→現実というベクトルが見て取れる。
重力は生物にとってなくてはならない力であることが理解できる。最後に彼女は地球まで引き戻した神秘的な引力へ感謝して終わる。
完全に宇宙
これはすごい、もう完全に宇宙。
闇や浮遊感や絶望感これらが全て詰まっており、冒頭の長回しで一気に宇宙に連れてこられた気持ちになります。
たった二人という登場人物も宇宙の孤独が強く現れていて実にうまい。
まるでワンカットの様な息をつかせぬ展開に、ただ食い入る様に観ていました。
ラストのグラビティを感じる場面まで、本当に息をするのを忘れるような作品でした。
傑作です。
宇宙で禅問答
二人ともよく喋る、よく喋る。
禅問答みたいなセリフが秀逸です。英語わかればもっともっと面白いんでしょう。
宇宙映画そんなに観てないけど、史上最高の宇宙映画という人も多いらしいです。確かに前半は禅問答をBIMにしたBIVといった趣で宇宙船に乗っているような感覚を味わえます。こんな単純なお話なのにスリラーも抜群で、ヒッチ君が演出したら面白いかも?
確かにブロック君、名演技です。犬の鳴き声のところなんか切なくて泣きそうになりました。
最近無駄に2時間越えの映画が多いなかで90分にまとめるとはアッパレですが、この作品なら二時間くらいあってもいいですよ。
優秀なベテラン初老宇宙飛行士がヘタレ宇宙飛行士を救うお話。
先ず、めちゃ綺麗な映像です。
ジョージ・クルーニー演じる、マット宇宙飛行士。
本来ならば生き残れたであろう超優秀なベテラン初老宇宙飛行士が『仲間の命が助からないと判断出来た時、諦める勇気』が無かった為、自らの死を持ってヘタレ宇宙飛行士を救う事になる。
サンドラ・ブロック演じる、ストーン博士。
メディカルエンジニアとは言え『訓練を積み万人から選ばれた宇宙飛行士』とは思えぬメンタルの弱さとヘタレ言動とパニック行動。
終始イライラしっぱなしでした。
物理的な観点でもISSのコード紐に脚が引っ掛かったストーン博士が、マット宇宙飛行士を掴んだ時、真空なのに何故あんなに長く二人を引き裂く力が加わっているのか謎です。
まぁそんな細かい事は気にせず、ホラー映画として違った角度から楽しめる映画とは思います。
映像は観る価値あり
映像に関しては映画館で観る価値のある作品だと思う。
宇宙から見る地球や暗い宇宙空間から感じる恐怖、無重量や宇宙空間を漂う固体の在り方など独特な状況、この地球上にいては分からぬ未知の世界を垣間見させてくれる。
ストーリーはね…微妙。
そもそもこんな身勝手なうえに冷静さに欠ける人を宇宙に送り出しちゃダメでしょ〜。笑
全472件中、21~40件目を表示