劇場公開日 2013年12月13日

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「新しい体験が待ってた!」ゼロ・グラビティ クラゲ男爵さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5新しい体験が待ってた!

2014年1月5日
PCから投稿

楽しい

怖い

映画を観るときに、印象に残るのは『どれだけ新しい体験が出来たか』って事なのかなって思ったりするんだ。

時代や階級の違う人達の恋愛に憧れ、知らない闇社会の恐怖に怯える。
そこで出会う物語が新しい体験であればこそ、満足感に浸り人に「すっげーストーリーだったんだぜ」なんて自慢できたりするんじゃなかろうか。

この映画も新しい刺激で満ちていると思うんだ。

無重力というオイラ達の憧れ世界観(笑)での、怒涛の脱出劇。

いつもは安全に安全を重ねる宇宙空間での作業が、映画では安全ロープ一本つけない状態で放り出される。
手を伸ばして、もし何かに掴めなかったら、それでもう永遠に宇宙に放り出されちゃうんだ。

なんて恐怖!そしてなんて新鮮な刺激(笑)!

まるでジェットコースターのように次々と起こる災難の中で、いつしかオイラはまるで主演のサンドラ・ブロックに乗り移ったように手に汗握ってた。
アクションだけではなくて、NASAとの通信が途絶えるだけで、こんなに絶望的になるんだなって感じられたのは、やっぱり作りが良く出来てるから。

主観視点の場面の臨場感もさることながら、空気残量が残り少ないのに荒い息遣いを止められないことや、その向こうに聞こえる鼓動の音。
音の無い空間だからこそ、余計に繊細な音に対してのこだわりが見える事もこの映画のクオリティを一段上げてくれていると言っても過言ではないんじゃないかな。

もちろん宇宙船がバラバラになって破壊されていく映像や、脱出するまでのストーリーラインも秀逸。登場人物が数人しかいないことが信じられないくらい豊かなストーリーを物語ってくれる。

『宇宙での脱出アクション』というだけでも目新しく、人を惹きつけるのに、あらゆる部分で手を抜かずここまで仕上げたことに、ただただ感心しちゃう映画だ。

もちろん3Dの出来も素晴らしく『新しい世界』へ連れて行ってくれる一助になったことは言うまでもないな。

きっと映画を観終わった後に思うんだぜ。

「あー、やっぱり地球が一番」

地球しかしらないクセに(笑)。

クラゲ男爵