「宇宙飛行士ではなく実況アナウンサーの映画」ゼロ・グラビティ cubonさんの映画レビュー(感想・評価)
宇宙飛行士ではなく実況アナウンサーの映画
登場人物が実質3人しかいないので、中盤以降は主人公がほぼずっと独り言を言ってて、観客に映像では読み取れない状況を延々と実況して補足説明していて馬鹿みたいだった。
冒頭で「(宇宙には)音は無い」って格好良く言っときながら、終始どうでも良いお喋りや陽気な音楽の音だらけで安っぽい宇宙だなと。
2001年宇宙の旅の無言を見習えと言いたい。
酸素が残り少ない状況なのに無駄なお喋りばかりしてわざわざ自分から酸素浪費しに行っていたり、中国語の操作ボタンのどれを押せば良いか分からない状況で「えーい押しちゃえ」で適当に押したり、”叩けば直る”でコックピットの精密機器を叩いたり、危機的な状況で犬の鳴きマネをしてみたり、コメディ感が凄いのもちょっとキツい。
連鎖的かつ爆発的な破壊で全方位に無数の破片が飛び散るのに、主人公は傷一つ負わないご都合主義で緊張感も無かったし、ストーリーもデブリの事故から地球への帰還ってだけの薄い話なので、ゲーム画面のような低レベルのCG全開の映像も相まって非常に苦痛だった。
この監督はトゥモローワールドが非常に良かっただけに残念だった。
コメントする