「緻密な構成が売りの監督さんのようだが」サカサマのパテマ REDSTARさんの映画レビュー(感想・評価)
緻密な構成が売りの監督さんのようだが
サカサマのパテマレビュー
ポスターの綺麗さと題名の語呂のよさに惹かれて見てみた
緻密な構成が売りの監督ということだが、はたしてそうか?
世界観やサカサマの描写は新鮮で面白かったもののストーリーの持ってき方が強引というかキャラクターがその世界の中で生きていない印象を受けた。キャラクターの行動規範がなく、なにか第三者の手が見えるような・・・
(例えばパテマとエイジが出会ってから打ち解けるのが早すぎる。監督が無理矢理キャラクターに恋愛感情を抱かしたとしか思えない。)
更に悪役の目的も不明確、パテマを具体的にどうしたいのか?利用したいのか、洗脳したいのか、自分のペットにしたいのか、殺したいのか?
秩序を重んじる世界と自由を重んじる地底人との抗争と共存を描いたら面白かったと自分は思うのだが、両者ともに秩序を重んじる社会で、対立軸がサカサマの認識の差にしか見出せず希薄で薄っぺらかった(インタビューを見る限りこの監督さんは相容れない認識の差をテーマにしているようだが)。物語もなにも考えずに表面だけをなぞれば面白かったのかもしれないが、深みはなかった。
最後の悪役の真下の床がエイジの声だけでたまたま割れるシーンやエイジは足を撃たれたはずなのに寝たら治っているところとか矛盾満載、秩序を乱すものには徹底した制裁を下しているはずだが、秩序を大いに乱したエイジを殺しもしない。
ラストシーンもエイジが撃たれて死んで最後、パテマが「エイジ・・・本物の空はこんなに綺麗だったよ・・・」のような終わり方が自分はしっくりくる。
作画については空を飛ぶシーンでこっちがジェットコースターから落ちるような爽快感がありとても気持ちよかった。
総括するとアイディアはよかったが、ストーリーに無理があるアニメだった。