「ウディアレンの作品って、厳しいものが多い。 その厳しさってのは、人...」恋のロンドン狂騒曲 saikimujinさんの映画レビュー(感想・評価)
ウディアレンの作品って、厳しいものが多い。 その厳しさってのは、人...
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ウディアレンの作品って、厳しいものが多い。
その厳しさってのは、人間の愚かさを諦観の視点で描く、といったもの。
今作はそんなウディアレン作品の中でも特に厳しい。
今作の主人公たちは、みんな他力本願。
新作が書けない小説家は他人の作品を盗みもう一度一旗揚げようとし、その嫁は母の金を頼りにギャラリーオープンを夢見てる。
その母はイカサマ占い師の言う事を盲目的に信じ、その元旦那は金に物を言わせ若い女と付き合うことで老いる不安から解放されようとする。
そんな他力本願でどうしようもない彼らは、結局みんな上手くはいかない。
小説家は盗作がバレそうだし、嫁は母から金を支援して貰えない。オヤジは若い女の浪費が原因で火の車で、その若い女は浮気しまくり。
唯一上手くいったように見えるのが母だ。しかしどっぷりイカサマスピリチュアリズムにハマってしまってる母は事実全くハッピーエンドとは思えない。そう思ってるのは本人だけ。何と哀れなことか。
その哀れな母を、カメラは少し離れた所から見つめ、映画は終わる。
何と厳しい映画なんだろうか。
でもそんなウディアレンに、自分はとても共感するため、大好きだ。
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