「おおかみこどもの雨と雪」おおかみこどもの雨と雪 ケンゴジェリーさんの映画レビュー(感想・評価)
おおかみこどもの雨と雪
たまたま金曜ロードショーで観たけど、多くのシーンからたくさんのことを感じさせてもらって、とても良いものを観させてもらいました。
「手のかかる子供を育てる母」と「自己の人生を選択する子供」の物語です。
子供たちに狼の血が入っていることを除けば、ありふれた母子のお話と言っても良い内容です。
瞬時に人と狼の姿を入れ替える雪の無邪気さは「幼児」の可愛さの象徴でしょう。
壮絶な姉弟ゲンカは四つ足で取っ組み合うこと以外は、オロオロする母親を含めて人の姉弟の日常の一端だと思います。
身近に見覚えのある情景だから、特異な設定でも感情を移入しやすい。
ファンタジーという分野の容量を活かして、人の日常生活の機微を最大化して豊かな情感のなかにまとめた秀作という意見です。
自我の芽生えと共に、人間社会へ馴染む道を選ぶ雪と自然へ帰って行く雨。
幼い頃のそれぞれのベクトルを転換させることを「成長」と捉え、正反対の道を進む両者を個々の人生として肯定しています。
このスタンスがとても好感です。特に母と息子の関係が見どころだったと思います。
自分の守備範囲を超えた世界へ行こうとする息子を引き留めたい。でも、彼女は最初から人間と狼の両方の選択肢を与えながら育てていました。
母の感情と理性の葛藤が分かり易く描かれる。たとえ住む世界が違っても、親子であることに変わりはありませんよね。
「絆」という言葉が頻繁に聞かれる昨今ですが、別れることによって強調される関係こそが「絆」なのかな、とも思いました。
もうひとつ。父親の亡骸をゴミ回収車に投げ込むシーンは強烈でした(・o・;)
残酷な描写ですが、あくまで現実の社会システムの中で進行するストーリーであることを植え付ける意味があったと思う。この辺りに監督の才覚を感じます。
ケンゴジェリーさん 共感有難うございました。
私も先日「おおかみ〜」をTVで観ました。忘れていたけど2回目だったんですが、最初と同じく雨の去っていくシーンには何とも言えない寂しさを感じましたが、ふと頭を過ったのがくるりと言うバンドの「ジュビリー」と言う歌でした。
自我の芽生えは歓びと言う事を改めて感じました。苦労して育てたなら尚更ですよね。
ご丁寧なコメントありがとうございます♪
本作何回か観ています。母と息子のところは理解しつつ辛かったです。
母は息子と一緒に生きていきたいだろうから。
また今後ともよろしくお願いします🙇





