「ぜひアニメ嫌いな女性の方に」おおかみこどもの雨と雪 ナオキさんの映画レビュー(感想・評価)
ぜひアニメ嫌いな女性の方に
友人に「サマーウォーズ超えたぞ、この映画。」と言われて観に行きましたが、正直サマーウォーズとは比べられません。内容的に違いすぎるので。しかし、やはり「さすが細田監督!」と言わざる作品でした。狼子供を育てる母親の物語なので、おそらく男性より女性が観た方が楽しめると思います。一緒に観ていた母は終止号泣でした。ひとつ気になるのは、監督がこの映画を通じて何を伝えたかったのかということ。人間と人間の共存を描く都心での生活から、田舎での温かい人々との生活にシフトし、最後は子供の狼としていきる決断。自分の中でこの映画が伝えたいことが分からなくなってしまった。単にストーリーを楽しむなら本当に面白い映画だと思ったが、考えすぎたせいか、少しモヤモヤした気分で終わってしまいました。
ナオキさんはきっと見落とされたのでしょうが、都会で息詰まったった時に、『子供には人間とおおかみどちらも選択できるようにしてやらなければいけない。』と語っていましたよね。ただ田舎暮らしをしたかったのではなく、ハッキリと『どちらも選択できるようにするため』と言っていました。
つまり、その時点で生き別れも覚悟していたわけです。深読みすれば、おおかみおとこと交わるときに、普通とは違う人生を歩むことを覚悟していたのかもしれません。見た目や語り口とは違って、誰よりも強い女性だからこそ成立できるファンタジーですよね。
これがもっと人間味を出しながら悩みに悩む人生という筋書きもわかりやすいのかもしれませんが、細田監督はそこでウジウジ悩む姿を見てもらうつもりなんか無かった、と言うことなのでしょう。
あまり変に考えず、ストレートな映画なのでストレートに、『子供の人生の選択と、それを見守るお母さん』の姿を観た。だけで良いのではないでしょうか。