「ガッカリ。公式のあらすじ以上の事は何も無い。」おおかみこどもの雨と雪　チャンダナさんの映画レビュー（感想・評価）

細かな設定に問題というか突っ込みどころが結構ある点は同感です。
世を離れて生きる為に、こどもの出生届けを出さない、という選択肢も考えましたけど、デメリットが大きすぎる。成人後に人間として行きてく上で、職にもつけないし、アパートも借りる事ができない。運転免許も取れない。
たぶん、オオカミお父さんもそうして育ったのでしょうし、その辺まではアドバイスできたのでしょう。

私が一番まずいと思うのは、あの狭い田舎で、あれだけ人間関係ができていると、10歳の雨くんの突然の失踪は大問題になると思います。花さんがどのように周囲を納得させたのか、気になります。

オオカミ人間という存在はある種のメタファーでしょうけど、手段が目的、主題になると、話を破綻させないのがとても困難になる、ということでしょう。魔女モノにしちゃえば、ある程度はお約束！なんですけどね。

自分でつじつまが合わないと思ったとたん・・・つまらない映画、くだらない映画と言うパターンですね。良くあります。

雨と雪が兄弟であった必要性は・・・小さいときと大きくなってからでは考え方も性格も変わっていく。それを言うためではないでしょうか？

監督が宮崎あおいさんに注文したことは、『母親にならないで下さい。一人の人間として相対してください。』だそうです。宮崎あおいさんは、『二人を観ているとどうしても母親になってしまう。まずはそこを削る事から始めました。』そうです。
何を感じますか？細田監督が、視聴率を稼ぐためにタダタダ盛り上げようとしていますか？細田監督が感じてもらいたかった部分はもの凄くシンプルなのでしょう。それ以外の余計な描写は削りに削ったのではないでしょうか？盛り上がりに欠ける・・・ふむ。

『サマーウォーズでは大家族で戦う賑やかさを出したかった。今作はもっとシンプルに力強く家族愛を描きたかった。』と言われています。

ご自分の描いた話と違うからと言ってガッカリと言い切るのはどうかと思いますよ。

チャンダナさんには、しっかり計算され尽くしたストーリーで、見終わって何の感動も残らないハリウッド映画の方が合っているかもしれませんね。

批評のタイトルには同感で、自分も低評価組です。
ただ、ちょっとツッコミを。

これは「現代の狼男」をテーマに作られたんじゃないですよ。
まず、強い母親像を描くことありきで、商業的にファンタジーにするためにおおかみこどもが後付けされたんだと思います。
でなきゃ、父親の扱いが希薄過ぎるでしょう。
子育ての大変さを表現するのに、障害を持たせたり、非行やいじめを扱ったりしたら、アニメとして重すぎると思います。

親から一人立ちする姿を描くにも、おおかみこどもの設定自体は活きてたと思います。

正直・・・コメントを入れるかどうか悩んだのですが、とりあえず入れさせて頂くことにしました。よろしくお願い致します。

自分は映画は先入観や予備知識を持たずに見る方が好きですね・・・
あと細かい所にこだわりすぎると全体の雰囲気が正確に感じ取れない気がします・・・

ただ・・・・

自分は一応”田舎”暮らしです。これまで”ド田舎”１年間、漁村２年間そして海近くの集落に今１５年暮らしています。
田舎は確かに”狭いコミュニティ”ですが、排他的な地域ばかりでは無いですよ・・・
確かに住みづらい地域もありますが、一方で助け合いの精神が残っている地域もあります。

自分の場合は”追い出された”ことも１回ありますけど・・・ね。
でもその後移り住んだ現在住んでいるところは暖かく受け入れてくれましたよ・・・

おおかみおとこの死亡届は？⇒おおかみである事を選んだ雨の手続きは？
→人間の世界での解釈では失踪になります。十年（だったっけ？）するとたしか死亡扱いになったと思います。これくらいのことは調べていただきたいです。