「素晴らしい映画!大満足!こんなに愛溢れた映画を見たのはいつ以来の事か!」おおかみこどもの雨と雪 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしい映画!大満足!こんなに愛溢れた映画を見たのはいつ以来の事か!
待ってました!今年、「ダークナイト ライジング」「夢売るふたり」と並んで最も待ち望んだ映画。
細田守監督最新作。
「時をかける少女」でその面白さに感激し、次回作はこれを超える事が出来るのかと危惧したが、「サマーウォーズ」はこれまた素晴らしく、この監督にはその不安は一切不要だと痛感した。どれが一番面白い?…なんて愚問。全て一番面白いのである。
そして待望の最新作。
ハードルの高い期待に見事に応えてくれた!
主人公の花は、母親としても女性としても一人の人間としても偉い。俗な言い方をすると、偉大だ。理想像だが、頭が下がる思いがする。
花の存在が、この映画の全てと言っても過言ではない。
花の包み込むような優しさ、温かさ、いっぱいの愛情。
溢れんばかりの愛に包まれて、雪も雨も何も恥じらう事なく成長していったと思う。
花の人生は実にドラマチック。悲劇的でもある。
愛する“彼”に先立たれ、たった一人での子育て。慣れない田舎での生活。辛く厳しく大変で、その苦労が滲み出る。しかも、花の守ってあげたくなるような小柄で華奢な体を見よ。
しかし、子を思う母はたくましい。
よくニュースなどで報道される我が子を虐待する親たちに見せてやりたい。
雪も雨も成長するにつれ、生き方を迫られる。人間として生きるか、狼として生きるか。
雪は人間として生きる道を選び、雨は狼として生きる道を選ぶ。
雪と転校生の男子は、次世代の花と彼の物語。
雨はしっかりと父の血を受け継ぎ、自然の懐へ。
我が子との別れは悲しいが、決して悲壮的にはならず、我が子の将来を思い送り出す花の姿は光り輝いている。
母と子の物語としても、ファンタジーとしても、ラブストーリーとしても、一本の映画としても、これ以上ないくらい。
この夏というより、今年最も忘れられない映画。
絶対見るべき!
最後に一つ。
こういうオリジナルのアニメ映画が公開されると、決まってジブリと比べる輩が現れる。
「ジブリと比べると…」とか「ジブリの方が…」とか「ジブリに似てる…」とか。
ハッキリ言って馬鹿げている!
ジブリが日本のアニメの全てではないし、そもそもジブリとは何の関係もないし、素晴らしい才能の方々に失礼。
そういう輩は最初から見なければイイのである!
全く同感で、ジブリとの比較は意味がない。
アニメにはそれぞれの世界観があり、その好みに分かれればいいだけですよね。
さすが近大さん、ナイスレビューです^_^