「感情が持っていかれました。」おおかみこどもの雨と雪 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
感情が持っていかれました。
2012年。原作・監督:細田守。
「揺るがない心」はこの映画の主人公・花の生き方を指します。
そして細田守監督のこの映画の製作過程にも言えることだと思います。
19歳の女子大生の花。
天涯孤独の孤児。
花は好きだと思った青年が、ニホンオオカミの末裔だと知る。
好きという気持ちは少しも、揺るがない。
妊娠したとき、「産む」と言う選択もまったく揺るがない。
子供が2人になり直ぐに父親おおかみは死んでしまいます。
そして成長するに従い、おおかみらしさを現す幼い雨と雪。
尖った耳が愛らしい。
唸る雪。
駆け回る雨と雪。
近所から苦情が来ます。
そして花は決断します。
お父さんおおかみの故郷の山奥の村へ移り住むことを。
おおかみの子供、雨と雪の性格の違いがとても印象的です。
雨はとても活発なのに、勉強や友だちが好き。
対して雨は、自分のルーツ・・・山の奥へ奥へと向かい・・・
山を治める長老おおかみの「先生」を師の仰ぐのでした。
雨・・・は「野性の呼び声」の大型犬・バックのようですね。
人間に従って生きることより「自由と野生」を選ぶ。
臆病な雨が、自由を選び、
勇敢な雪が人間との共生を選ぶ。
おおかみとの結婚を選んだ母親(花)の半生を描くことで、
生きることの多様性を提示する感動の物語りでした。
過去鑑賞(2022/01/30)
共感ありがとうございました。
いい作品でしたね。
ボブ・ディランも受賞しましたが、日本のアニメーションは、文学のひとつの優れた表現方法として いつかノーベル文学賞とか取らないかなーと思ったりする僕です。
きりん
琥珀糖さん
コメントありがとうございました。オオカミとの子を産むという有り得ない設定なのに、"感情を持っていかれる"素敵な映画でしたね。
"生きることの多様性を提示"
》まさに多様性ですね。花と雨と雪、3人の選択はそれぞれですが、自分の道を力強く生きていく姿からは勇気をもらえました。また、現実の世界でも様々な生き方が受け入れられるようにという願いも感じました。