「まあまあ。ってとこ」おおかみこどもの雨と雪 シャラスケイカさんの映画レビュー(感想・評価)
まあまあ。ってとこ
正直、もやもやが残る映画。
特に気になったのは、
雨が友達の男の子に追いかけられて不本意にその子を傷付けてしまったシーンの後。
花は呼び出されて学校に行き相手の母親に謝る。その後雨と2人きりになるが、雨がこうすけを傷付けてしまった根本的な理由をしっかり聞かなかった。終いに雨が自身で口を開き、その言葉が『学校、もう行けないかな。ここにも住めないかな。ごめんなさい。』だった。謝っておる。本当は、こうすけに『獣の匂いがする』と言われ、これから人間としてしっかりやっていけるのか不安になってしまったのが原因なのに、それすらしっかり話せていない。雨がこうすけを傷付けてしまったのは本能が働いたからである。でも、傷付けるくらいに狂ってしまった理由は他にあるはずだ。それを知るのが、相談するのが母親の役目では無いのか。どちらの血も入っている彼らには、私たちよりもよっぽど葛藤があるはずだ。それを頭から離さずに産んだ責任をしっかり持って、しっかり向き合って、雨が人間としてやっていける方法などを一緒に話し合っていけば良いのにと思った。これから人間として上手くやっていけるか不安を持った雨は、きっとこれからも変わらないと思う。こうすけに最終的に打ち明けてハッピーエンド!という感じだったが、いや、周りのみんなとはこれからどうやっていくんだよと思った。親がもっとこう根本的な理由から掘り返していかなければ、また同じ事が繰り返されそう。それ以外は少し愛情の傾き具合?が気になりました。まあこれは尺の問題もあるし狼になる側に焦点を当てるのは当たり前という意見があるからあまり言いませんが。確実に雨のシーンが少なかったかな。あーあと、雨が雪を失くして悲しんでいるシーンが無いのもちょっと気になったかも。あと雨と雪が喧嘩した後あまりしっかり和解せずに離れ離れになったようだけどそこら辺は…
という感じで気になるところが1つあるくらいならまだしも、ちょっと多過ぎた感が拭えません。
けれど絵柄も好きだし、何よりお父さんの一途な感じがとても好きでした。世界観がいいね!どうもありがとう。観させて頂いてまた1つ感性が増えました!!