「いのちの使い方」おおかみこどもの雨と雪 ke_yoさんの映画レビュー(感想・評価)
いのちの使い方
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雨が狼として生きることを選ぶ展開は少し驚いたけど、何となくそんな気がしていた。
例えば森で獣として生きることで短命になったとしても、それを無理に押さえて人として里で生きても長く安全に生きられる保証もなければ、たとえそうなっても、幸せに生きることとは別なわけで。
自分の生き方を見付けられないなら、安全に長く生き何かを見付けるチャンスを待つことは良いことだと思うけど、見付けたのなら短くなっても危険であっても、そっちにいくことが幸せなのかもしれませんね。
だけどちょっと腑に落ちないのは、父親おおかみおとこが人里であれだけ頑張って勉学に勤しみ労働して生きていたことの意味、人として生きる中での出会いとか人の優しさや、人の感情の素晴らしさを伝えているシーンが全くなかったこと。
ノーヒントで半獣のオスである雨が人間の男になることは容易くないだろう。
母親だからオスの気持ちは分からなくても、せめてそれを伝えてあげて欲しかった。狼としての学びではなく、人としてのヒントを与えてあげるシーンを観たかった。
難しい存在の彼らを産んだのは母親のエゴなんだし…
私は冒頭の、懸命に学ぶ姿に1番感動した。
彼はノーヒントの半獣のオスなのに、人として生きて幸せにまでなったのだから。
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