「西岡常一がカッコよすぎて」鬼に訊け 宮大工 西岡常一の遺言 sannemusaさんの映画レビュー(感想・評価)
西岡常一がカッコよすぎて
西岡という偉人の言葉を、映像化して残してくれてありがとうという気持ち。。
最高すぎるので全人類観るべきだと思う。
私の持論。人生重ねて重ねて出した結論、っていうのはたとえ同じこと言っててもそりゃあ重みが違う。年寄りのそれがいかに自分のものとは違っていても、若者のそれより断然尊重されるべきだとは思うのですが、最近の風潮はどうも違いまんな。
ということで行ってきました。
宮大工・西岡常吉の記録。
木を加工する作業、音もビジュアルもホントに心地よくて、槍鉋かけるシーンとかずっと観ていたかった。
厳かな気持ちになりました。
1000年っていう長ーいスケールで考えると、自然に逆らうなんざ愚の骨頂やな、と心から思った。いかに自然の法則に沿い、自然の力を利用するか。
ベストな建て方をすれば、建物としては木が最も長持ちする材料になる。
その方法を先人から受け継ぎ、探求し、時代遅れと言われようと頑固に実践し続けた西岡。
伝えられなかった知恵すらも研究し、現代に活かそうとする彼の凄まじい努力は、出来上がった建造物に現れている。
穏やかな爺さんに見えるけど、実践と知識に裏打ちされた芯の強さと鋭さが時折覗く。
晩年、入院生活が続き棟梁の職を辞すことを願い出たが、薬師寺は受け入れなかった。棟梁として棟梁のまま死ねることを知り、鬼の西岡が男泣きに泣いた、というエピソードにぐっと来た。
長いスパンで歴史から学ぼうとすれば、あらゆる答えがあるはずだ。と思える説得力が、本作にはあった。
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