「全く共感できないのが辛い」ノア 約束の舟 えのきちさんの映画レビュー(感想・評価)
全く共感できないのが辛い
『ノア 約束の舟』を鑑賞。
映像化は不可能と言われてきた「ノアの箱舟」伝説を圧倒的なスケールで映画化したとの事。
主人公ノア(ラッセル・クロウ)は夢の中で神のお告げを聞き、大洪水が起こる事を知る。そして、人間以外の生き物を救うべく箱舟を造り始めるのだが…。
世界的には大ヒットしているらしい本作だが、聖書を題材にしているからかツッコミどころ満載過ぎてイマイチ楽しめなかった。
ノアが神のお告げを忠実に守ろうとすればするほど観客が嫌な気分になる展開が辛い。
主人公であるはずのノアの主張に反対する家族の言い分や、箱舟を乗っ取ろうとする悪役の言い分が極めて真っ当であり共感できる。つまり主人公に全く共感できないのである。
もっとも神のお告げなのだから人間になど理解できるはずもないのだが。
しかしこれでは感動が生まれるはずもない。
映像はハリウッドらしく豪華絢爛な仕上がりで迫力も満点なのだが、逆にこれもハリウッドらしく中身が物足りない作品であった。
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