劇場公開日 2014年6月13日

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「この監督にしてはちょっとよわかったかな。」ノア 約束の舟 rockoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5この監督にしてはちょっとよわかったかな。

2014年5月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

確かこの監督、πとかレスラーとか、ブラックスワンとか作った人だった記憶があります。そういう作品に比べるとちょっとパンチが弱かったかなあ。

今までの作品では、ほぼ宗教的ないみでのエクスタシーのようなものを題材に扱ったものが多かったんで、ノアのテーマはその辺に絞られるのかと思いきや、普通に既存の物語をなぞった感じで、しかもハリウッド的娯楽要素が入って中途半端でした。でも普通のハリウッドアクション映画よりはずっとよかったです。

途中、人間の原罪について語られる部分があり、ノアたち一行も滅び行く運命にあるとの狂信的な決断をして、その辺はかなり好きでした。ノア家族も、愛ゆえの憎しみに飲み込まれ、結局は罰を受けた側の人間と変わらない行動を取るんですが、その辺のシリアスさがもうちょっと深められたらなあと思います。ジェーにファー・コネリーがノアに大して切れたときの、子供を守るという本能と正義に裏打ちされた憤怒と憎しみの表情が良かったです。
最終的にエマ・ワトソンの「神の言葉なんて解釈のしかたでどうにでもなる」という軽ーい一言で、「んだな、深いことは考えんべー」となってチャラになります。その辺はどうなのかなあ。

個人的には、ノアが息子のこしらえたいかだを瞬殺で燃やすところが一番好きでした。

rocko