「心の痛み」痛み 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
心の痛み
借金の取り立てをしているナムスンは、幼い頃の事故が原因で痛みを感じない体になった。客の前でわざと相方に殴られ、それにビビった客は慌てて返済するという仕事を繰り返していた。
ある日別の取り立て先で、勝ち気なドンヒョンと出会う。彼女もまた、ちょっとした怪我でも命取りになってしまう難病を抱えていた。
度々衝突しながらもいつしか心を通わせる2人。
だが、ドンヒョンの病状が悪化し…。
“無痛覚症”と“血友病”という難病を扱いながらも、孤独な男女の心と心が触れ合い、愛を育んでいく様をひしひしと描く。
痛みを感じず感情すら忘れてしまったナムスンだが、ドンヒョンと出会って幸せや喜びを知る。
病状が悪化したドンヒョンの治療費の為ヤバイ仕事を引き受けるナムスン。全てはドンヒョンの為。ドンヒョンを失いたくない為。初めて痛みを知る。悲しみという心の痛みを。その矢先、ある悲劇が…。
喜怒哀楽の言葉通り、喜んで、怒って、哀しんで、楽しんで、人は人生の尊さを感じる。
それを不器用に体現したナムスン役のクォン・サンウの熱演が光る。
感情豊かなドンヒョン役のチョン・リョウォンに心癒される。
決しておセンチな純愛モノや難病モノにならず、上質な人間ドラマへと昇華させた韓国映画のレベルの高さを改めて感じた。
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