「やるじゃないか。」崖っぷちの男 病気の犬さんの映画レビュー(感想・評価)
やるじゃないか。
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非常に良くできたクライム・サスペンスですが、まるでワンシチュエーション映画のような売り方がされていたために、手を取るのが遅くなりました。
この映画の素晴らしいところは、映画の様相がめまぐるしく変わっていくところ、主人公の正邪も変われば敵味方も換わっていきます。飛び降り事件で注目を集める兄とその裏で宝石泥棒を進める弟、テンポがよい並行アクションでありながら時に二つを交差させつつと、脚本がさえわたっています。ぶっちゃけこの映画7割は脚本家の手柄じゃないかな。監督ももちろん悪くないのですが、この本があれば誰が撮ってもある程度は面白くなりそう。
ラストの大団円がややだ蛇足だったり、父親があれだったりといろいろと荒はありますが、全てにおいて良かれと思ったのでしょう。願わくばもう何本か製作したのちの作品であれば洗練されたものになったかと思います。これほど巧妙な映画でありながらややケレンが足りないように思います。思い切って登場人物をあと二三人切ってしまったほうが良いかな。
まず映画の肝としての、脚本が十分なほどに十分な品質である。これにやや振り回されすぎてこのプロットに皆がついてこられるように説明役が多くなっている。本来であれば自分を嵌めた悪者を驚きの手段で嵌め返すというだけのシンプルな話なのに、家族愛、仕事への情熱、友情などを散りばめる羽目になっている。そのどれもが悪くはないだけに無駄に存在感を出してしまい、結果、すっきりとしないまま終わらせてしまうことになってしまったように見受けられます。
まあ、愛情を込めてやりすぎるということを責めるのは酷ですし、これからどんどん上手になっていくことでしょうし、期待を
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