「薄くて浅く、青臭い。」009 RE:CYBORG がらだまさんの映画レビュー(感想・評価)
薄くて浅く、青臭い。
もともとこの映画は、押井守監督の一番弟子だった神山監督が、押井監督のかつての「パトレイバー劇場版」のような才気走ったエンタテイメント作品を作ってもらおうと、押井監督のテイストをふんだんに盛り込んで、押井監督のために書き上げた脚本が元になっています。
ところが押井監督がこの脚本に大いに不満を示し、「婆さんと犬が廃墟を巡る話じゃなきゃ監督しない」とゴネて逃げ始めたため、結果として押井監督をクビにし、脚本を書いた神山監督が監督を兼任することになったという経緯があったそうです。
一生弟子でも構わないと思った師匠の思わぬ弱さをみて、「このままではいられない」とある種の決別を誓った作品と言えるのではないでしょうか。
「終わらせなければ、始まらない」というコピーにはそういう意味もあるそうです。
しかし、実際自分が本編を見た感想は、
「一見難解だけど、薄くて、浅い。そして、青臭い」。
映画としては中の中か、中の下くらい。
映画は中の中か、中の下位が一番タチが悪い。
可もなく不可もなくでは、観たことさえすぐに忘れてしまう。
これなら婆さんと犬が廃墟を巡る話が観たかったなぁ。
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