エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストランのレビュー・感想・評価
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美術館
レストランというより美術館に行く感覚に近いです。アートを観ながら、美味しいお料理を食べる。この作品もお料理が芸術作品に見えるので、料理人って芸術家なんだなと思いました。私の周りもアートな人は、お料理が抜群に上手いです。エル・ブリのお皿も、ひとつひとつが、アート作品です。
お仕事ドキュメンタリ
料理のことはよくわからんが、お仕事ドキュメンタリーとして面白くみた。
仕事に対する姿勢を厳しく求められる現場のようで緊張感が伝わってくる。意見を主張しあうことでぎすぎすした雰囲気になったかと思えば、あとでにこにこ笑い合っていたりする。よい仕事場とはこんな感じだなあ、と思ったりした。信頼関係と充実感がある仕事場。
で、料理はさっぱり味の見当もつかないことをやっているので、興味深さはあったりするが、うまそうとか全然思わず、感心するだけ。
化学実験
世界一予約の取れないレストラン
と言うフレーズに興味津々。
食をこのように追及していく集団もあるんだな~と
ひたすら『へぇ~』
ただ、あまりに食が先鋭すぎて、
まるで化学実験のようなレシピ制作過程に
本当に美味しいのか?と言う疑問が沸いてくる。
ドキュメンタリーなので仕方ないが、
淡々と過ぎてゆく感はありました。
料理はアイデアと化学だ
映画館でドキュメンタリーを観るのは久しぶりだ。
エル・ブリ・・・もちろん行ったことなどないが、〈世界一予約のとれないレストランが突如閉店〉というニュースはツイッターなどで読んだことがある。
今作は、通常は4月から秋までだった営業期間を、初めて7月から冬に変える新しい試みを記録したドキュメンタリー映画だ。
映画は、営業中のエル・ブリを紹介する間もなく、いきなり前シーズンの終了から始まる。これから6ヶ月、アトリエで新作料理の開発に取り組むのだ。
アトリエには必要な機材が運び込まれ、3人の主任シェフによって、素材の選択から調理方法まで何通りもの試作が行われていく。
試作したものは、デジカメに収められ、レシピがファイリングされていく。
業務用のIHレンジは大型で、小さな鍋を並べて使ったり、大きな鍋に入れるものを残ったスペースで調理したり、なかなか便利そうだ。
赤色系のまな板は、食材の色合いが浮き立ち、これも使いやすそうだ。
ひとつの料理に、とにかく考えられるあらゆる手を使い、時間をかける。まるで料理に縁のない素材や現象を取り入れる。見ていると、さながら実験室だ。
これだけの手間を掛けるからこそ、誰もが驚くような料理が完成するのだろう。ただ、カリスマ・シェフのフェラン・アドレアといえども、段々、同じ傾向に進んだりはしないのだろうか?
最初のうちは、アトリエは主任シェフだけで、フェラン・アドレアは入らない。アトリエに入るのはある程度たってからで、開発途上のものに手を加えたり、シェフたちを叱咤激励する。
これは、フェラン・アドレアが彼らが創造したものが気に入らないのではなく、完成に導いているといえる。主任シェフ等の新しいアイデアによって方向性が決まるまで放任しているように見える。これこそが料理のマンネリ化を防ぐ方法なのかもしれない。
開店の日ぎりぎりまで調整が入れられ、お客様に出すものと同じ料理が同じ順番で、厨房の片隅の席に届けられる。そこにはフェラン・アドレアが座り、料理の一店一点に厳しいチェックが入る。
さすがの主任シェフたちも、フェラン・アドレアの顔色を伺いながら落ち着かない。フェラン・アドレアは確かに天才かもしれないが、それだけではない。オーナーシェフと雇われシェフの仕事に対する厳しさの差が作品を通して鮮明になる。
手間と努力の積み重ねで創られた料理を見ていくと、例えばパスタひとつとっても、同じ名前の料理だからといって、どこの店でも同じような価格というのはおかしいと改めて感じる。
驚くのは、お客様を招き入れるとき、厨房を通してから席に案内することだ。日本では、保健所から飲食店の営業許可をもらうには、厨房とホールを隔てる扉(といっても密閉式ではない)の設置を義務付けられており、お客様が厨房のエリアに入ることを許さない。エル・ブリの案内の仕方は、日本では考えられないシステムなのだ。
今回ひとつ残念なのは、映写機の光量不足かコントラストと色彩に冴えがなかったこと。
それでも独創的で美味そうな料理は、ワインを飲みながら観ればよかったと思わせる。私は売店でビールを買って観たが、画面が贅沢なアテになる。
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