「FBIを作った男」J・エドガー odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
FBIを作った男
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ジョン・エドガー・フーバー、フーバーFBI初代長官はテロや暴動、凶悪犯罪に対処する為、科学的捜査手法を使った広域かつ強力な警察組織を作った近代警察の多大な貢献者であることは間違いないだろう。勿論、目的の為には手段を選ばない権謀術数ぶりは褒められたものではない。
肝心の秘密の個人ファイルは秘書の手によって破棄されてしまっているので真贋のほどは解らないが、権力者が官僚を私的利用する方が当たり前の時代に官僚の方が大統領や司法長官を牛耳るなんて大した策士ですね。
映画では踏み込んでなかったがニクソンは対立候補の弱みをフーバーに調べさせて選挙運動に使っていたらしい、結局使い捨てにされるのは官僚の宿命なのだが、フーバーの真似をして盗聴で失脚するのも因果応報と言えなくもない。
同性愛者かどうかも噂の範疇らしいが脚本のダスティン・ランス・ブラック自身がカミングアウトしている人だけに妙に事細かに描いていましたね。
個人的には秘書を務めたヘレン・ギャンディとの仲が不可解、何故、あんなにフーバーにつくしたのだろうか、真相を知りたいが皆亡くなられてしまったのでこれまた闇の中。
実話好きのクリント・イーストウッド監督だからそれなりにリサーチはしていると思われるがFBIを作った鉄の男が実はマザコンでバイセクシュアルという、一皮むけば実に人間臭いという解釈も興味深かった。
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