「円(三角?)盤が主役の名作」宇宙戦争(1953) odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
円(三角?)盤が主役の名作
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子供のころに観て円盤のカッコよさ、一瞬で焼ける熱光線の凄さ、小屋で3原色の目を持った蛇のようなものが近づいてくるのが怖かったのをうっすらと覚えていた。
原作では三足ロボットだったものを円盤に変えたそうだが後にアルバート・ノザキさんという日系人がデザインしたことを知りなんとなく自慢に思えた。原作は日本で言えば明治時代に書かれ映画はテレビ放送が始まった頃だからまだ火星人でもよかったのだろう(タコ型ではなかったが)後のトム・クルーズ版ではさすがにぼかされている。やたら数字の3に絡むので不思議に思ったがラストで火星人の指が3本だったので合点がいった。東宝が真似をしたのだろうが隕石のくだりはギドラ出現のようで懐かしく思える。特撮技術も未成熟ながら街の破壊シーンなどは今と遜色ない出来である、円盤を釣っているワイヤーが写っていたのはご愛嬌、円谷監督は飛行機を逆さに釣るした逆さ撮りで違和感を消している。人間のストーリーの方はあまり覚えていなかったのだが友好を唱える民間人が熱光線で殺され牧師まで二の舞、平和外交への不信が漂うのは時代背景か、最終兵器の核まで投入、最後の望みの綱を暴徒に絶たれる口惜しさ、火星人も怖いが人間もつくづく怖いです。もはや神頼みで奇跡が起きる。H.Gウェルーズは生物学を学んでいたので細菌や免疫学をうまく生かしていますね。逆もまた真なりで宇宙飛行士が帰還後隔離されるのも検疫のため、アンドロメダ病原体というSFもありましたね。このあとのSFものに多大な影響を与えた名作です。
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