「ダメ男」サルトルとボーヴォワール 哲学と愛 ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
ダメ男
あの実存主義を提唱したサルトルとフェミニズムの草分け的存在ボーヴォワール。世紀のカップルは、お互いの自立と自由を尊重しあい恋愛における「苦悩」や「葛藤」とは無縁だと思っていました。この作品を観るまでは。
サルトルはひたすら自己中心的で女好きのダメな男。ボーヴォワールは、苦悩しながらもそんなサルトルを受け入れる。
作品は、ボーヴォワールの「葛藤」の視点で描かれています。その「葛藤」と「ダメ男」の存在が少なからず「第2の性」の誕生に影響を与えたのだと思いました。自由な関係であるにしろ、女性であることはある意味不条理です。そして、何しろ「ムカつき」ますから。
ただし、凡人と一緒にいても沸き立つ衝動は起こりません。相手がサルトルだったからこそ、ボーヴォワールもその才能を開花できたのでしょう。そう考えると「ダメ男」も女性の解放に一役買ったと言えそうです。
サルトルの悪口を言い過ぎましたが、サルトルは後々の人類にとって重要で必要な人です。そんな天才は、どんなに自己中心的であろうとも、女好きであろうとも関係ないのです。そして思想を相手にしている彼らにとっては、家族とか恋人とかそんな近視眼的な常識はどうでもいい事なのです。やっぱり、かっこいいですね。憧れる〜。
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