「ひとり男の、ロードムービー」あなたへ fukui42さんの映画レビュー(感想・評価)
ひとり男の、ロードムービー
最初の「塀の中」のシーンから、健さんの過去作を想像したけど。
違いましたね。倉島は元刑務官で定年後、木工などの技能指導官の設定が新鮮。
出てきた風景はざっと、富山→飛騨→京都→竹田城(兵庫)→関門トンネル。
その道中で出会った、山頭火の歌が好きな元教師、特産物催事場で売り子をする男性達。それぞれと交流し、亡き妻の話をし、別れていく。
そんなロードムービーになってました。
本当は妻と旅行するために作った、木工家具を積んだワゴン車。
車だからいろんなところで立ち止まり、妻の事を思う。
深く大切に愛していんだなあ。
多弁じゃないから余計、その悲しさが伝わります。
相手の懐には深く入らない距離感。健さんの凛とした感じが伝わります。
また亡き妻役の田中裕子さんが、儚くもろい感じがとてもぴったり。
抱きしめたら消えちゃいそうな雰囲気がまたいい。
しんみりストーリの最後。
「え?!」。
び、びっくりしたわー。なんか最後ありそうと思ったら。
このひねり方好きです。
健さんの遺作、残念だけど最後に「どうだい?」なエンドロールもかっこよかった。一時代を築いた健さんに、敬礼したいです。
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