「個人的なことは政治的なこと。」灼熱の魂 kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)
個人的なことは政治的なこと。
やられたらやり返す。歯には歯を、目には目をの風土の中、禍福は糾える縄の如しの斜め上をいく人生をたどった女性。残された子どもにとっても、これほどの許されざる、そして許すしかないこじれた神の采配があったのかと気づかされるお話。
激しいパレスチナの内戦を肌感覚で知らない自分、いかに平和ボケしているかと思った。母の半生を辿る旅に出た娘と若い頃の母の姿が重なりすぎて、平たい顔族の自分は「え、どっちだ?」と一人でボケていたりもした(余談です)。
今後、1+1=2 という表記を見るたび、この映画を思い出すんだろうなあと思う。
ロケ地の迫力はもちろんのこと、双子たちの心象風景のようなプールの場面の静けさが印象的だった。たまたまプロット上は双子だったけど、ある意味この二人も二人で一人、その一方、一人の人間の中にもアンビバレントな人格が潜んでいるのだろう。だからこそ生育環境の影響は本当に重い、と再認識させられた。
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