「中東の嫌ミス。」灼熱の魂 masayasamaさんの映画レビュー(感想・評価)
中東の嫌ミス。
メッセージ、ブレラン、デューンと続くヴィルヌーブの出世作なのでチェックです。
原作者は中東出身の劇作家の方で右派キリスト教とイスラム教の内戦がベースにあり、なかなか日本人にはすっきり腹落ちしない複雑な状況のなか悲惨な人生を送った1人の強い活動家で母親と、彼女の死後、遺書に翻弄される子供達の話。舞台でも日本で上演済みだそうです。
ズバリ日本でいうところの「嫌ミス」を中東の紛争地区ベースで組み上げた感じです。ちょっと都合良すぎる感じもしますが「嫌ミス」ですからトコトン追い込みます。欧米キリスト教圏、イスラム教のかたなら色々複雑な感情絡むのでしょうが幸か不幸か日本人なんで、宗教の話はいまいちピンとこず、どっちが悪いとか、ミスリードだとかあんまり気にしないで見たほうが「嫌ミス」を楽しめます。原題Incendiesはフランス語で炎の意味。
こんだけ面倒臭い話をよく捌いたなというか、この人ならブレラン、デューン行けるかも、、とプロデューサーに思わせる処理能力の高さと演出力。振り返るとヴィルヌーブ作品はたしかに宗教的な崇高さと説教臭ささを利用して話をリアリティ損なわず大袈裟に見せるのが上手いなと思う。レディオヘッドの音楽も効いてる。
つまり、この映画を観て彼はなるべくしてメジャーになったと納得しました。
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