劇場公開日 2011年12月1日

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「笑いとドラマのバランスも「50/50」」50/50 フィフティ・フィフティ マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0笑いとドラマのバランスも「50/50」

2011年12月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

27歳の若さで突然のガンの宣告。5年後の生存確率50%。人は、そんな状況をどう受け入れるのか? 家族や友人、そして恋人は、その事実にどう向き合うのか?

ひとつ言えるのは、どんなに健康に気を配っても、事故に遭わないよう気をつけても、病魔はいつやってくるか分からないということ。
いつ、何があっても、つまらん人生だったと思いたくはないものだ。

タイトルの「50/50」はもちろん生と死の確率だが、この映画の作風も言い表している。
難病を抱えてしまった重たい題材ながら、決して暗くならず、ジョークを散りばめ、却って元気が出るような筋書きになっている。コメディと人間ドラマのバランスもまた「50/50」なのだ。このバランスが絶妙だ。

親友のカイルが、普段と変わらず陽気にアダムとの時間を謳歌する。生存率が50%しかないと塞ぐアダムの言葉に対し、生きる確率が50%もあると切り返す前向きさがいい。そんな明るく振る舞う彼でも、その陰でガン患者である親友とどう向きあったらいいのか模索している事実を発見したときはジーンと熱いものが込み上げてくる。

また、恋人のレイチェルがとった行動も分かる。彼女もまた、自分の人生を賭けて日々過ごしているのだ。それもまた“よかった”のか“悪かった”のか「50/50」。あとになって判断することになるだろうが、どちらに転ぼうが人生に無駄なことは何一つない。

ラストは、これからどうするんだろう?と、オジサンの好奇心を掻き立てる爽やかな余韻が数日楽しめる。切り際が巧い。

マスター@だんだん