「カンフーもドラマも見応えある良作!」新少林寺 SHAOLIN 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
カンフーもドラマも見応えある良作!
ジェット・リーの出世作「少林寺」を新たに映画化。
辛亥革命後の中国。傲慢な将軍・コウケツは、部下の曹蛮の裏切りに合い、全てを失う。そんな彼が流れ着いたのは、かつて愚弄した少林寺だった。コウケツは改心し、出家するが、彼を捕らえようと曹蛮が攻め込んで来る…。
主演のアンディ・ラウの、傲慢だったコウケツの時と改心して僧となった浄覚の時の巧みな演じ分けはお見事!
曹蛮を演じるニコラス・ツェーの非道っぷりは逆にアッパレ!
少林寺の料理番役のジャッキー・チェンは出番は少ないながら、作品にユーモアを与える。
“少林寺”と言うと、やはりカンフー・アクションが見所。
本作でも、さすが本場だけあって、ワイヤーを駆使したアクションとキレのあるカンフーは最高のカタルシス。
カンフー映画はストーリーそっちのけの場合が多いが、ストーリーが疎かにされていないのが好感。
特別新鮮味がある訳ではないが、シンプルな分、じっくり見入っていける。
富や権力、強さに固持する愚かさを浮き彫りにし、暴力的なシーンがその浅ましさをさらに訴える。
煩悩を自覚する心、罪を悔い改める勇気こそ、本当の強さ。
コウケツが戦う理由は、民を守る為。そして、曹蛮を改心させる為。
ただ相手を倒す為ではないのがカンフーの極意。真の武術だ。
真摯な心得は作品にも表されている。
良作だった。
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